質屋が騙される!?モアッサナイトというダイヤモンド類似石

モアッサナイト

宝石鑑定士。米国宝石学会(GIA G.G).,AJPの資格保持。ジュエリー業界に12年勤務。これまで100万石以上の宝石売買に携わり、宝石の販売価格や買取価格のトレンドをおさえています。特に色石の買取価格の把握は難しいため、年に10回以上、海外へ飛び回り相場を掴むようにしてます。好きな宝石はパライバトルマリン。

質屋が騙される!?モアッサナイトというダイヤモンド類似石


モアッサナイトという石
モアッサナイト(モアサナイトと呼ばれることもあります)という石の存在をご存知でしょうか?出回り始めた当初は、機械(ダイヤモンドと類似宝石を判別するダイヤモンドテスターという機械)でもダイヤモンドとモアッサナイトの違いを見抜けなかったほどで、見た目はダイヤモンドと非常に似ているのですが、名前を耳にする機会がそれほどないかと思います。ここでは、質屋や宝石のプロでも見た目ではダイヤモンドとの判別が難しい、モアッサナイトについてご紹介したいと思います。


モアッサナイト(Moissanite)は、モアサナイトと表記されることもある石です。この石は、炭化ケイ素(Silicon carbide)でできており、自然界にも存在しますが、限られた地層にごくわずかに存在するのみなので、見つけるのはとても困難です。ですので、市場でみかけるモアッサナイトのほとんどが(たぶん100%に近いと思います)、自然界にモアッサナイトが存在することがわかってから、人工的に作られるようにな合成石です。

モアッサナイトとダイヤモンドの類似点


自然界に存在するモアッサナイトはごくわずかで、また、結晶も透明ではなく濁っているのですが、人工的につくられるモアッサナイトは透明で、光の屈折率、熱伝導率がダイヤモンドと近いのです。ダイヤモンドと、そうでない石を判別できるダイヤモンドテスターという機械があるのですが、この屈折率と熱伝導率が似ていることから、はじめは、モアッサナイトをダイヤモンドテスターで試すと、ダイヤモンドである、と判別されてしまっていました。(今では、機械が進化し、モアッサナイトとダイヤモンドの判別が可能になりました。)見た目ですが、モアッサナイトはDカラーのダイヤモンドと比べると、ごくわずかに色がついていますが、技術の進化により、Dカラーに近い無色のモアッサナイトも出回っています。

モアッサナイトとダイヤモンドの相違点


石の硬さを表す数値に、モース硬度という項目がありますが、ダイヤモンドはもっとも硬い、硬度10です。それに対し、モアッサナイトは9.24でダイヤモンドに比べるとやや低めです。参考までに、ですが、コランダム(ルビー、サファイア)は9、エメラルドが8です。また、光をあてたときの反射の色が違って、モアッサナイトは虹色の反射が強いです。ですので、モアッサナイトをジュエリーとして仕上げたとき、ダイヤモンドよりも虹色のチラチラ光る輝きが強くでます。

モアッサナイトはダイヤモンドの偽物なのか?

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モアッサナイトは、ダイヤモンドの偽物なのでしょうか?一部の業者がモアッサナイトダイヤモンド、などという紛らわしい名前を付けて販売したため、一般消費者が、お買い得なダイヤモンド、と勘違いして購入し、実は天然ダイヤモンドではなかった、というケースがあったり、ダイヤモンドテスターでダイヤモンド、と判断されてしまうため、質屋や買取店などが混乱したということがあったようです。こういった経緯から、モアッサナイト=ダイヤモンドの偽物、と思われてしまう節があるのは確かです。ですが、人工石であるモアッサナイトの美しさに価値を見出し、モアッサナイトのジュエリーであることをはっきりと明言して販売しているメーカーもあります。悪意のある一部業者の売り出し方によって、なんとなく偽物の印象がついてしまっただけで、モアッサナイトはダイヤモンドに似た輝き、時にはそれ以上の輝きを持った人工石、というのが正しいと思います。

ダイヤモンドの類似石として有名なキュービックジルコニア(製造原価はモアッサナイトの方が、キュービックジルコニアよりも高いためその分、ダイヤモンドとの判別も難しいです)も、安価でありながら、ダイヤモンドに似た輝きが楽しめるので、アクセサリーとして取り入れやすいメリットがありますよね。宝石業界にいる身としては、モアッサナイトのような人工石に悪いイメージを持たせないためにも業者や小売店は、宝石に対する正しい知識を増やして、一般消費者の方が混乱しないように、親切に、正確な説明をしなければ、と思います。

【実験】ダイヤモンドの本物?偽物?自宅で1発!見分け方でも、自宅でもできるモアッサナイトとダイヤモンドを比較した実験をしましたのでこちらも参考にしてみてください。

リカラット編集部 監修





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宝石鑑定士。米国宝石学会(GIA G.G).,AJPの資格保持。ジュエリー業界に12年勤務。これまで100万石以上の宝石売買に携わり、宝石の販売価格や買取価格のトレンドをおさえています。特に色石の買取価格の把握は難しいため、年に10回以上、海外へ飛び回り相場を掴むようにしてます。好きな宝石はパライバトルマリン。