ルビーやサファイアにある鑑別書て何のこと?

ルビーやサファイアにある鑑別書て何のこと?

ルビーやサファイアなどの色石を購入すると「鑑別書」が付いてくることがあります。ダイヤモンドの「鑑定書」との違いや、「鑑別書」の見方を詳しくご紹介していきます。

「鑑定書」と「鑑別書」の違い

「鑑定書」とはブリリアントカットという決まったカットを施したダイヤモンドにのみ発行されるものです。ダイヤモンドにはグレードの判断基準があり、それは4Cと呼ばれています。Carat(重量)、Color(色)、Cut(カット)、Clarity(透明度)についての表記で、いわば成績表のようなものです。

色石にはこのようなグレードがありませんので、「鑑別書」を発行しています。その石が天然なのか、人工的に後処理を施しているのか等の、石の状態を記載してあるもので、例えるなら健康診断書といったところです。

鑑別書の見方


では主な項目ごとに詳細をご説明していきます。

鉱物名

鉱物名・生物学上の名称を記載します。なお自然に生成されたもので、カットや研磨以外に手を加えていないものは「天然」と記載されます。

宝石名

鉱物の中で宝石として認知され、その名称を持つ場合に記載されています。

色とその透明度について

石の透明度(透明、半透明、不透明)やその色あいについて記載しています。

カットの種類

どのようなカットが施されているのか、カットの種類が記載してあります。カットにはオーバル、カボション、ペアシェイプ等様々なものがあり、該当するカット名が記されています。

重量

宝石の重量表記であるカラット(ct.)で記載しています。鑑別書はルース(裸石)の場合と、すでに製品になっている状態の2通りのいずれかで発行しています。

重量の項目で数値の後に(刻印)と記載がある場合は、製品に打刻してあるカラット数値を意味しています。またセンター石と脇石がある場合は、先にセンター石の重量、次に脇石の重量を記載しています。

寸法

石の縦、横、高さ(奥行き)の最大値を記しています。

屈折率

光が密度の異なる物質を通過するとき、光線は境界線部分で屈折し、進む方向を変えます。この「光の屈折」を数値化したものを屈折率と呼んでいます。

光を曲げる力=屈折率は真空を通るときに1.0程度だと言われており、宝石などの輝きの強い物質は屈折率が大きくなります。水晶で1.5前後、ダイヤモンドになると2.4前後の数値が一般的なようです。

多色性

石によっては、方向によって色が異なって見えることがあります。これを「多色性」といい、この性質の有無を記載しています。多色性がある場合は「認む」などと記されています。

比重

物質の質量の、それと同じ体積をもつ標準物質に対する比率を表します。固体および液体の場合の標準物質は水ですので、水の質量と宝石の質量の割合ということになります。

なお、製品になってからの比重は正しく測ることができませんので「セットのため測定不可」などと記載されています。

分光性

肉眼では同じ色に見える宝石でも、発色している原因は宝石によって異なります。まず宝石に光を当てます。波長によっていくつかの光線が存在するため、宝石がそれぞれの光をどの程度吸収しているのかを調べていきます。「クロムラインを認む」など、具体的に石が吸収している光線の名称を記載しています。

拡大検査

宝石の内部を数十倍の顕微鏡で観察します。肉眼ではわからない内包物や、小さな傷などが石の持つ特徴となるため、この検査を行います。実際の鑑別書上では「微小含有物」などと記載してあります。

偏光性

宝石に光が入り屈折する際、光が二つの経路に分かれて進むことがあります。これを複屈折性と呼び、光の経路が1本の場合は単屈折性と呼んでいます。実際の鑑別書には「複屈折性」などの記載になっています。

蛍光性

検査石に紫外線を当てた時、これを吸収して青や赤などの目に見える色に変化して発散させることがあります。この性質を「蛍光性」と呼んでいます。蛍光性がある宝石の場合は「認む」などの記載になっています。

鑑別書は宝石の健康診断書

鑑別書は科学的な検査を行い、宝石の状態を記したものです。項目によっては普段聞きなれない言葉も多いので、こちらをご参考に鑑別書をご覧いただければ嬉しいです。

リカラット編集部監修