意外と知らないアメジスト原石にまつわる小ネタ3個

小学6年生の時に古代エジプト展に展示されていた宝飾品を観て宝石にハマる。大学で金工を専攻。宝石の卸売会社で7年間働いた経験あり。好きな石はダイヤモンドと翡翠。

意外と知らないアメジスト原石にまつわる小ネタ3個

「高貴」「気品」「癒し」、アメジストが持つイメージは、大人っぽい、落ち着いた印象があります。私が初めてアメジストを見たのは、父のネクタイに付いていたネクタイピンとカフスボタン。アメジストは女性にも男性にも好まれる石ですよね。

宝石の中で、比較的大粒の石でも値段がお手頃なアメジスト。また古い歴史を持つ石としても知られています。しかしブラジルで大規模なアメジスト鉱山が発見されるまでは、エメラルドやルビーのように非常に高価で珍重されていました。

宝石界では珍しい紫色のアメジストは、古来より禁酒、禁欲のシンボルとしても人気がありました。ロシア最強の女帝と言われたエカテリーナ2世が好んだ石としても有名で、素晴らしい宝飾品が遺されています。

今回は、意外と知られていないアメジストの「原石」の魅力についてご紹介しましょう。

アメジストの原石とは

アメシスト

アメジストの性質

アメジストは和名を「紫水晶」といい、硬度は7。水晶の中でも「顕晶質」と呼ばれる大きめな結晶のクォーツ です。本来は無色透明なクォーツに鉄分アルミニウムなどが混じることにより、透明なピンクに近い紫色から青紫色や濃い紫色まで、様々なバリエーションが生まれます。

アメジストは紫外線に当てすぎると色が褪せてしまう退色効果が有名です。反面加熱すると色が変化しやすいという特徴があり、透明な水晶を加熱して合成したアメジストも多く出回っています。

またシトリンと呼ばれる黄水晶のほとんどがアメジストを加熱して作られ、半分が紫で半分が黄色い石のことは「アメトリン」という別名がつけられています。天然のアメトリンはボリビアのアナイ鉱山でのみ産出されます。

アメジストはガラスのイミテーションから合成アメジストまでかなり偽物が出回っていますが、本物かどうか、鑑定が難しいと言われています。

アメジストに込められた意味

アメジストの宝石言葉は「誠実」「心の平和」「真実の愛」など。また「人生の悪酔を排除する」石として古来から聖職者が好んで身につけていました。

アメジストの持つ紫色は昔から高貴な色として貴族や特権階級の人間に愛されてきましたが、中でも

「アメジストが邪悪な思念を取り去り、知力を高めてくれる」

と大切に身につけていた人物の1人が、ルネッサンス時代の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチでした。

意外と知らないアメジスト原石にまつわる小ネタ①


『モナ・リザ』や『最後の晩餐』の画家、レオナルド・ダ・ヴィンチが実は同性愛者だったのをご存知ですか?今でこそLGBTが容認され、同性婚も認められる世の中になりましたが、彼が生まれた15世紀のヨーロッパはゲイの暗黒時代。キリスト教の戒律に触れるとして、同性愛行為は厳しく罰せられていました。

天才レオナルド・ダ・ヴィンチも2度ほど捕まって逮捕された記録が遺されていますが、実は彼の芸術的才能を支えたのはジャン・ジャ コモ・カプロッティという愛弟子。レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯をかけて愛した年の差28歳の愛人兼モデルです。なんと『モナリザ』や『洗礼者ヨハネ』のモデルはこの美少年だったという説もあるそうですから驚きですよね。

愛人に悩む心をアメジストが慰める

しかしこの少年、性格はやや問題アリ。

「サライ(この弟子の愛称)は嘘つきで強欲で大食い。おまけに盗みを働く!」

とレオナルド・ダ・ヴィンチが日記に愚痴るほどの問題児でした。レオナルド・ダ・ヴィンチがアメジストを大事にしたのは、アメジストが愛人に悩む心を慰め、心の平安を取り戻してくれるからだった、のかも知れませんね。

しかしそんなアメジストには、実は人を呪うほどのパワーもあるのかも知れません。

譲り受けた人々を次々と不幸にするアメジスト

人の心を癒すアメジスト。しかし裏切られたときは逆に呪われることもあるのかも?呪われた宝石、といえば、「ホープダイヤ」が有名ですが、大英博物館に収蔵されている「呪いのアメジスト」をご存知でしょうか。

「デリーの紫サファイア」と呼ばれるこのアメジストの持ち主は、科学者のエドワード・ヘロン=アレン氏。彼の死後、彼の娘から大英博物館に寄贈されました。

この3.5cm×2.5cmの美しいアメジストはもともとはインド・デリーの寺院にあったもの。しかしインドがイギリス領だった時代、1850年代に植⺠地 反対運動が起きた際、イギリスのフェリス大佐によって略奪 。しかし その後大佐は全財産を失い、謎の死を遂げます。

さらに家族にも不幸が続いたため、息子がこのアメジストを友人に売却したところ、その友人まで自殺。その後もこのアメジストを譲り受けた人々は次々と不幸に襲われたそうです。

なんだかアメジストって怖い、と思ってしまうエピソードですが、それだけ魅力がある宝石だということ。そういえば世界で一番大きいアメジストをご存知でしょうか。

意外と知らないアメジスト原石にまつわる小ネタ②

アメジストの主な産地はブラジルです。1727年に初めてヨーロッパにブラジル産のアメシストが登場し、瞬く間に高値で取引されるようになりました。

そのほかにも、ケニア、マダガスカル、ザンビア、ロシア、カナダ、インドなど、アメジストの原石は世界中で採掘され、日本でも宮城県や石川県、鳥取県などで採掘できます。

では現在世界最大のアメジストの原石は?というと。。
こちらもアメジストの産出国として有名な国の一つ、1825年に独立国となったウルグアイで2007年に採掘されました。その高さは3.27m、重さは2.5トンも!「ウルグアイの女帝」と呼ばれ、オーストラリアの博物館に所蔵されています。写真で見ても嘘みたいな大きさですよね。

最後にアメジストの魅力についてもご紹介しましょう。

意外と知らないアメジスト原石にまつわる小ネタ③

アメジストの魅力は、何と言っても採掘できる産地によって色や形に特徴がある、ということでしょう。例えば、ブラジル産のアメジストだけに見られるお花のように放射状の形をしたアメジスト。まるでハスの花のように先端だけ淡い紫色をしたブルガリア産のアメジスト。細かい粒状の結晶がまるでサボテンのようにくっついたカクタスアメジストなど、アメジストの原石は変化に富んでいます。

アメジストのコレクションは楽しい

中でも「アメジストドーム」と呼ばれる、鉱物の内側にびっしりとアメジストが生えている原石は迫力たっぷり。いかにも鉱物!という大きなアメジストドームは、開運アイテムとして人気が高いそうです。

色、形、大きさと産地によって違うアメジストの原石は、レアアイテムほど値段が高く、コレクションする楽しさがある宝石といえそうです。

最後に


いかがですか。アメジストの原石にまつわる小ネタを3つ、ご紹介しました。アメジストは値段もお手頃、そして男女どちらにも愛される宝石としてプレゼントにも最適な宝石です。

自分へのご褒美にもアメジストはオススメ。きっとあなたの心を癒してくれるはずです。

リカラット編集部 監修