「タイタニック」の”碧洋のハート”の正体は? 華麗なブルーダイヤモンドと「呪い」の歴史

タイタニック号

「タイタニック」の”碧洋のハート”の正体は? 華麗なブルーダイヤモンドと「呪い」の歴史

映画「タイタニック」

映画タイタニックポスター

Photo by : Anton_Ivanov / Shutterstock.com

1912年4月14日の深夜に起こったイギリスの豪華客船「タイタニック号」沈没のニュースは、世界中を激震させるほど衝撃的な出来事となりました。当時、絶対に沈まないと言われていたタイタニック号が沈むという、信じがたい真実を目の前に突き付けられたため大きなショックを受けた人が多かったのです。

その実際に起こった事件を脚色し、1997年の公開と同時に大ヒットとなったのが、映画「タイタニック」です。主演のレオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレットの人気や、主題歌として起用されたセリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」の大ヒットもあり、多くの人が映画館に足を運びました。

ストーリーもさることながら、この映画には主演の二人の他にもうひとつ大切なキーアイテムがあったのをご存知でしょうか。それはケイト・ウィンスレットが親の決めた婚約者から贈られた、ハート型をした巨大なブルーダイヤモンドのペンダントです。ケイト演じるローズがこのペンダントだけを身に着けて、レオナルド演じるジャックの描く絵のモデルになったシーンは特にとても印象的で美しく、多くの人々の心に衝撃を与えたことと思います。

主役になった“碧洋のハート“

サファイアペンダント
この“碧洋のハート”(The heart of the ocean)と呼ばれる大きなハートシェイプのブルーダイヤモンドは、その後世界中の市場で、“タイタニックに出てきたペンダント”として類似品が出回わることとなります。
もちろん映画と同じ大きさの本物のブルーダイヤモンドで作ることは難しいので、だいぶカラットを落としたサファイヤや他のブルーの石で作られたものが流通しています。今でも“タイタニックペンダント”としてインターネット通販などでよく見かけるので、根強い人気があるのでしょうね。

不幸を招く「ホープダイヤモンド」との関係性

さて、突然ですが、みなさまは「ホープダイヤモンド」の存在をご存知でしょうか?
「ホープダイヤモンド」は世界でも有数のエピソードを持つたいへん有名な宝石のひとつで、現在はスミソニアン博物館に所蔵されている45.52カラットもの巨大なブルーダイヤモンドです。

なぜこのダイヤモンドが有名なのかというと、ネーミングとは裏腹に、このダイヤモンドは持ち主を破滅させるという言い伝えがあるからなのです。
絶対に沈まないと言われたタイタニック号が沈むというストーリーに加え、シェイプは違うもののカラットもあの「ホープダイヤモンド」を彷彿とさせる迫力のある“碧洋のハート”。

ではここで、実在しているホープダイヤモンドの歴史についてご紹介していきましょう。

“呪いの歴史”

ブルボン王朝の家宝として

ブルーダイヤモンド
時は9世紀にまで遡ります。きっかけは偶然で、インド・デカン高原にあるコーラルという町で農夫が偶然発見したところから始まります。この後フランス人がヒンドゥー教寺院に奉納してあったものを盗み出し、そのダヴェルニエというフランス人から、当時“太陽王”と呼ばれたフランス国王ルイ14世が購入したことが明らかになっています。

ダヴェルニエがはじめに購入した際には約112カラットあったといいますが、ルイ14世が購入した際にさらに美しいカットが施され、約67カラットになっています。

最終的にはあのダイヤモンド商の手に

その後、フランス革命によってルイ16世ら国王一家は幽閉され、最終的に断頭台に上がることになり、ブルボン王朝が途絶えたことは皆さんのよく知るところですね。さらに次々と持ち主が破産を繰り返し、最終的には当時、ダイヤモンド商だったハリー・ウィンストンの手に渡ります。そしてこのハリー・ウィンストンがスミソニアン協会に寄贈し、現在スミソニアン博物館で展示されるに至っています。

ルイ14世からハリー・ウィンストンの手に渡るまで、何人もの手に渡り、様々な不幸なエピソードが語り継がれてはいますが、いずれも少し脚色めいていて真実ではないものも多いように言われています。

ブルーダイヤモンドの希少性

では「タイタニック」の重要なキーアイテムとして使用されたブルーダイヤモンド。実際にどのくらい希少価値が高いものなのでしょうか?そもそもダイヤモンドは無色透明であればあるほど価値が高いとされていますが、ブルーダイヤモンドについてはまた価値基準が少し変わってきます。

というのは、ダイヤモンドが生成される中でホウ素が含まれることによって色がブルーになると言われていますが、そもそもダイヤモンドが作られる地中深くにはホウ素がほとんど存在しません。よって圧倒的に天然のブルーダイヤモンドが発見される可能性が低いということから、カラットやその色の加減などによって大変な高値で取引が行われています。

海底深く沈む“碧洋のハート”

物語の冒頭で、すっかり老いたローズがジャックとの思い出を慈しむように、ハートのペンダントを海に投げるシーンがあります。このワンシーンが多くのことを物語っているのかもしれません。ローズとジャックの純粋な恋愛を表したかのような美しいハートシェイプ、多くの命を飲み込んだ深い海のブルーのダイヤモンド。

映画「タイタニック」の名助演はこの”碧洋のハート“に決まりでしょう。

リカラット編集部 監修