古くから愛され続ける宝石エメラルド「4つの産地」と変わり種について

エメラルド

毎日200個以上の宝石に触れる仕事をしています。宝石のことをあまり知らない方にも、分かりやすい記事作りを心掛けています。オードリーヘップバーンの映画を観てからクンツァイトに魅了されています。

宝石にさほど興味のない方でも、エメラルドという宝石の名は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
エメラルドは紀元前から採掘され、数千年という長い歴史のある宝石です。今回は長らく人々を魅了し続けるエメラルドの魅力をお話ししたいと思います。

エメラルドとは

鉱物の種類はベリル、日本名を緑柱石(りょくちゅうせき)と言います。ベリルに少量のクロムが含まれるとグリーンを発色し、エメラルドとなり、ベリルに他の元素が加わると、ブルーのアクアマリンやピンクのモルガナイトになります。
モース硬度という宝石の硬さを表す数値は、7.5~8と高いのですが、特有の結晶構造のため、エメラルドには多くの隙間が存在します。
硬度が高いにも関わらず、隙間のおかげでちょっとした衝撃にも弱く、とても割れやすく欠けやすい宝石です。
結晶構造からエメラルドが結晶化する際にヒビや傷が出来やすく、多くのエメラルドはオイルや樹脂を浸した含浸処理を行い強度を高めたり、発色がよくなるよう処理されています。
その為、天然で深く濃いグリーンを発色する透明感のあるエメラルドは、非常に希少であり高額で取引されています。

エメラルドの産地

宝石の専門家は「エメラルドの色を見ると産地がわかる」というほど、産地によって成分や内包物(インクルージョン)などの違いや、色合いにそれぞれの特徴があります。

一部ですが特徴的な産地のエメラルドの特徴をご紹介します。

コロンビア産エメラルド

世界のエメラルド産出量の50パーセントのシェアを誇るコロンビア産のエメラルド

コロンビア産のエメラルドはブルーやイエローがかっていて、彩度のある純色に近い美しいグリーンを放ちます。

元々エメラルドは傷の多い宝石ですが、コロンビア産のエメラルドの場合は色合いの美しさと表面の傷が少ないものを選ぶようにします。

コロンビア産のエメラルドの多くはオイルや樹脂を浸透させた処理を行うので、内側から表面につながる傷が少ないものを選ぶと、より長く美しい状態のエメラルドが楽しめる為です。

サンダワナ産エメラルド

小粒で黄色がかった美しい色合いが特徴のサンダワナ産エメラルド。

サンダワナ産のエメラルドは基本、カット以外は人工的な処理が行われない、無処理のものが多かったのですが、21世紀にはいると産出量が激減してしまったことが原因で、オイルや樹脂を浸透させた処理済みのエメラルドが出回り始めています。

ザンビア産エメラルド

20世紀に開発が本格的になった比較的新しい産出地で、青みを帯びたグリーンが特徴のザンビア産エメラルド。

ザンビア産のエメラルドの原石は、丸みを帯びたものが多く、楕円形のオーバルシェイプに研磨されます。

品質の良いエメラルドが多く産出していたので無処理のものが多かったのですが、最近は需要の高さから品質の低いエメラルドに処理を施し美しく見せたザンビア産エメラルドも多く見かけるようになりました。

コロンビアに次いで重要な産地だと言われています。

※こちらの記事も参考にどうぞ。
ザンビア産エメラルドの特徴は?産地別の特徴
コロンビア産エメラルドの特徴は?産地別の特徴
ブラジル産エメラルドの特徴は?産地別の特徴
ジンバブエ産エメラルドの特徴は?産地別の特徴

エメラルドの名前の由来

エメラルドジュエリー
エメラルドの名前はいくつか変化を経て来ています。まず、サンスクリット語の緑色の石を意味する「スマラカタ」から始まります。後々ギリシャ語の「スマクラグドス」ラテン語の「スマラグダス」と変化しました。

そこから古いフランス語で「エスメラルド」と変化を遂げ、「エメラルド」と呼ばれるようになりました。

エメラルドの種類

エメラルド2
実はエメラルドにはグリーン一色のものだけでなく、様々な変化を見せてくれる種類があります。

なかなか実物を目にすることが出来ないものもありますので、いくつかご紹介します。

エメラルドキャッツアイ

非常に珍しく、コレクターに人気の高いエメラルドキャッツアイ。

キャッツアイというのはカボションカットに研磨すると帯状の光を描く、猫目効果(シャトヤンシー)がみられる宝石のことを言います。

キャッツアイというと多くはクリソベリルやトルマリンなのですが、エメラルドにもごく稀にこの猫目効果が見られるものがあるのです。

二方向から光を当てて動かすと、まるで瞬きをするような効果も見られるので、宝石マニアからは一つは手にしたい、コレクションしたいと思われる宝石の一つです。

トラピッチェエメラルド

トラピッチェとはスペイン語で、歯車の意味です。
トラピッチェエメラルドの模様がサトウキビを絞る農機具の歯車に似ていることから名付けられました。

花のように見えたり、亀の甲羅のように見えたりしますが、基本は六条に広がった仕切り模様です。

エメラルドの成長過程で炭質物が閉じ込められたことで出来る模様ですが、何とも不思議で自然に出来た模様と考えると、マニア心をくすぐられる宝石です。

こちらもコレクターに大変人気の宝石です。

※こちらの記事も参考にどうぞ。
https://recarat.me/online/2018/08/13/sije2018/#i-6

コロンビア産のエメラルドから生まれたエメラルドカット

エメラルドカット
ダイヤモンドにも使われるエメラルドカットの名前の由来はコロンビア産のエメラルドから来ています。コロンビア産のエメラルドは表層に深く美しいグリーンが偏っています。表面にある美しいグリーンを残してカットを施す為に考え出されたのが、エメラルドカットでした。
エメラルドの特性を生かすために考え出されたカットでしたが、今ではエメラルドだけでなく様々な宝石に採用されています。

最後に


グリーンの宝石といえばエメラルドと言っても過言ではないほど、長年愛され続けているエメラルド。
エメラルドにまつわるあれこれを知ることで、今まで以上にエメラルドという宝石へ興味を持っていただけると嬉しいです。

リカラット編集部 監修

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