生き物から作られる宝石③琥珀(アンバー)

アンバー

小学6年生の時に古代エジプト展に展示されていた宝飾品を観て宝石にハマる。大学で金工を専攻。宝石の卸売会社で7年間働いた経験あり。好きな石はダイヤモンドと翡翠。

生き物から作られる宝石③琥珀(アンバー)

まるで飴玉のようなとろりとしたハニーブラウン。琥珀(アンバー)は宝石の中でも面白い性質を持った特別な石。

その歴史はとても古く、海外では紀元前3700年のエストニアで、日本では古墳時代に琥珀(アンバー)で作られた勾玉などの装身具が見つかっています。

琥珀(アンバー)は生き物から作られる宝石ですが、その特別な性質により、生物学的な研究資料としてもとても貴重な宝石だとか。

一体どんな宝石なの?

そんな琥珀(アンバー)の持つ魅力を、今回も全力で解説します!

琥珀(アンバー)ってどうやってできるの?

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琥珀(アンバー)を生み出したのは太古の植物。松柏科の樹木が分泌した樹液が地中に埋もれ、化石化した樹脂のことを言います。

琥珀(アンバー)は実に長い時間をかけてゆっくりと固まっていきます。その時間はどれくらいだと思いますか?

なんと3000万年以上だとか。

今から3000万年前というと、日本ではちょうど縄文時代の終わりぐらい。今目の前にある琥珀(アンバー)は縄文時代の樹木からできた宝石なのかも!

宝石なのに水に浮く!

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琥珀(アンバー)は世界中で見つかっていますが、主な産地はバルト海沿岸のロシア、ドイツ、ポーランド、リトアニア、そしてドミニカ共和国など。
もちろん日本でも見つかります。

琥珀(アンバー)には陸地の地層から見つかる山琥珀(ピット・アンバー)と、海岸に分布する地層から洗い出されて発見される海琥珀(シー・アンバー)があります。

樹脂である琥珀(アンバー)は軽いので水に浮きます。おそらく水に浮く宝石なんて琥珀(アンバー)だけなのでは??

そのためか、原産地の地層から洗い出され、海を漂って遠く離れた場所の海岸に流れついて発見されるものもあります。

宝石なのに良い香りがする

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アンバーの語源はアラビア語の「龍涎香」を意味するanberから来ています。龍涎香とはマッコウクジラの体内にできる脂肪の塊ですが、燃やすとなんともいえない良い香りがするのだとか。

宝石で「燃える」という性質もとてもユニーク。そのためドイツでは琥珀(アンバー)は燃える石(バーンシュタイン)と呼ばれています。

水に浮き、燃えると良い香りがする宝石なんて、琥珀(アンバー)以外には聞いたことがありませんよね。

そのためからか、古代においては琥珀(アンバー)はかなりの貴重品。小さな琥珀の像1つと、奴隷一人が等価交換されたという記録も残されています。

虫を閉じ込めた宝石

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琥珀(アンバー)の主な色は透明な黄色からコニャックのようなブラウン、そしてドミニカ共和国ではブルーの琥珀(アンバー)も産出されています。

琥珀(アンバー)の特徴として面白いのは植物や小さな虫などを内部にとじこめた石が見つかること。

これは「虫入り琥珀」と言ってコレクターがいるほど人気があります。透明なブラウンの内部に、はるか数千年前に生きていた蚊やアリやバッタなどの小さな昆虫たちが閉じ込められているのですから、何時間見てても見飽きないはず。

琥珀(アンバー)が生物学的な研究資料として使われるのはこのせいです。

そういえば、映画、「ジェラシックパーク」では、この琥珀の中の吸血昆虫から恐竜の遺伝子DNAを取り出して絶滅した恐竜たちを蘇らせましたよね。。。

これって確かに、もしかすると、実現可能なことなのかも知れません!

実際、弘前大学の生物環境管理講座助教授、城田安幸氏は3000万年前の琥珀中のハエから遺伝子ホメオボックスを世界で初めて抽出することに成功しています。

アンブロイドという琥珀には注意

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琥珀(アンバー)は180度以上で加熱すると軟化します。その性質を利用して、琥珀の粒を集めて再結晶させたものがアンブロイドです。

アンブロイドとは「琥珀のようなもの」という意味。金型の中で熱と圧力を加えて整形して作られます。アンブレイド、もしくはアンバロイドと呼ばれることもあります。

鑑別を取ると、「プレスト・アンバー」と記載されます。天然の琥珀(アンバー)ではなく圧着琥珀ですから、気をつけてくださいね。

最後に

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いかがですか。とっても面白い宝石、琥珀(アンバー)。宝石の中でも比較的お値段はお手頃です。

今年(2018年)の東京国際ミネラルフェアでも、海外の業者さんが琥珀のネックレスを数千円で販売しているのを見かけました。

※詳しくはコチラ
▶︎ミネラルフェアは最終日がオススメ!自分の欲しい鉱物を安くゲットする方法

虫入りの琥珀を見つけたらラッキー!ヨーロッパでは琥珀をポケットにいれて持ち歩くと、厄災から身を守る、というお守りの意味もあるそうですよ。

リカラット編集部 監修