生き物から作られる宝石①真珠(パール)

パール

小学6年生の時に古代エジプト展に展示されていた宝飾品を観て宝石にハマる。大学で金工を専攻。宝石の卸売会社で7年間働いた経験あり。好きな石はダイヤモンドと翡翠。

生き物から作られる宝石①真珠(パール)

ダイヤモンドは磨かなければ光らない宝石ですが、真珠(パール)は貝を開いた瞬間から光り輝く美しい宝石。

真珠をはじめて発見した人は、いったいどれほど感動しただろう、と思わずにはいられません。

昔の人は真珠のことを、

「貝の中に月のしずくが宿った」

「人魚の涙を貝が飲み込んだ」

などと考えていたそうですが、確かにそれも頷けますよね。

日本人に一番馴染みやすい宝石、真珠。パールは他の鉱物と違って、海や湖の貝から生み出される宝石です。

生き物から作られる宝石、真珠。この真珠の魅力について、今回も熱く語らせて頂きます!

1万5千個の貝からたった1粒

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世界中で生息している貝の種類はおよそ10万種類といわれています。そのなかで、宝石になるような真珠を生み出す貝はごくわずか。

宝石に使われる真珠を作る貝は、「アコヤ貝」「シロチョウ貝」「クロチョウ貝」がメインです。他には半円形の真珠を作る「マベ貝」湖に生息して淡水真珠を生み出す「イケチョウ貝」などがあります。

しかしその中でも真珠を見つけられる貝は本当に少なく、探すのは至難の技です。例えばアコヤ貝の場合、直径5ミリ程度の真珠が採れるのは1万5千個の貝からたった1粒程度だと言われているのです。

そして日本は縄文時代から真珠の産地。日本の真珠は世界的に人気があります。

マルコ・ポーロは日本をジパング(黄金の国)と呼んでいましたが、コロンブスは真珠が採れる国として日本に憧れていたそうです。

宝石というよりも薬として使われていた?

薬
1905年に御木本幸吉が真珠の養殖技術に成功するまで、真珠はまさに幻の宝石。珍重すぎて宝石というよりも粉にしてとして用いられることも多かったそうです。

紀元前3200年のエジプトではクレオパトラが真珠を酢で溶かして飲んだ、という逸話が残っています。

中国漢方では「珍珠」と呼んで解毒作用・解熱作用・精神安定に効果がある薬として用いていたとか。。。

日本でも昔は「風邪薬」として真珠を使用していたそうですが、真珠の成分にはカルシウムが含まれていますから、たしかに骨粗鬆症には効きそうな気がしますね。。

真珠はどうやってできるの?

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真珠の鉱物名はアラゴナイト。炭酸カルシウムの鉱物です。貝の内側には「外套膜」という細胞があり、そこから炭酸カルシウムが分泌されます。

貝の内側に何らかの原因で小さな異物が混入すると、これを外套膜が包み込みます。これが「核」となって、その後ゆっくりと丸く形を作ります。これが真珠です。

真珠には真円の形以外に、ゆがんだ形のものもあり、これを「バロックパール」と呼んでいます。シロチョウ、クロチョウ貝のバロックパールは、同じ形が2つとない独特の形とテリやツヤ、大きさで非常に高価なものもあります。

淡水真珠にもお米のような形や俵形の真珠が作られますが、真円の形に比べて値段は安くなります。
つまり、アコヤ、シロチョウ、クロチョウ貝から採れる真珠よりも価格が低いのが一般的です。

真珠の美しさを決めるのは?

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真珠の美しさ、宝石としての価値を決める要素は、

・母貝の種類
・サイズ
・形
・巻き(真珠層の厚さ)
・キズ
・色
・テリ(真珠の光沢)

というたくさんの基準を満たしていなければなりません。高品質の真珠は巻きが厚く、キズのない、テリのあるものです。

アコヤ貝からできた真珠でこの要件を全て満たしたパールは「花珠」と言われ、最高の品質だと言われます。

美しい真珠の要件として、真珠層の厚さは0.7ミリは必要だと言われますが、養殖真珠の場合は処理、漂白、加熱、染色、放射線照射などの人工加工がされているので、その有無と程度も視野に入れる必要があります。

また、真珠の色は白だけではありません。ピンク、ベージュ、ゴールド、ブラックなどのカラーがありますが、黒真珠の中にはグリーンがかった色もあります。

とくにその中でも赤みのあるグリーンブラックの黒真珠は、「ピーコック」と呼ばれて最高の色だと称されています。

世界最大の真珠は100億円

宝石に使われる真珠には、小粒の種真珠(シードパール)と呼ばれるものから、重さが90gもあるバロックパールまで様々な大きさがあります。

大きければ大きいほど価値はありますが、パールのネックレスとして使用する場合は、6ミリから8ミリ程度の大きさのものが一般的です。

2016年、フィリピンのパラワン島の沖合で、地元の漁師が幅30cm、長さ67cm、重さ約34kgの真珠を発見し、世界最大の真珠として100億円の価値があると発表されました。

しかし発見した漁師はその真珠の価値がわからず、なんと見つけてから10年間もの間、漁師小屋のベッドの下にしまいこんでいたそうです。

確かにこんなに大きいと使い道に困るかも。真珠は大きければ良い、というものではなさそうですね。

最後に

パールネックレスをする女性
いかがですか。真珠は貝という生き物から生み出される天然の有機物。

しかしきちんと保管し、丁寧に扱えば、真珠は経年変化が少なく、ほぼ永久に美しさを保つことができる宝石です。

日本人が一番似合う宝石、それは真珠ではないでしょうか。あなたが初めて宝石を買いたい、と思ったら、ぜひ真珠をお買い求めください。
フォーマルにもカジュアルにもいろんなシーンに使いやすい真珠。決して後悔はしないはずです。

リカラット編集部 監修