名前が紛らわしい宝石を解説!ジルコンとジルコニアは同じ鉱物?アゲートとカルセドニーは?

疑問とひらめき

小学6年生の時に古代エジプト展に展示されていた宝飾品を観て宝石にハマる。大学で金工を専攻。宝石の卸売会社で7年間働いた経験あり。好きな石はダイヤモンドと翡翠。

名前が紛らわしい宝石を解説!ジルコンとジルコニアは同じ鉱物?アゲートとカルセドニーは?

地球の奥深くで生まれる鉱物、それが宝石です。
宝石には、鉱物学的に成分は同じなのに、模様や透明度、結晶の粒の大きさの違いによって名前が違う宝石があります。

たとえばアゲートとカルセドニーは同じ瑪瑙(めのう)という鉱物。
それなのに名前が違うのはなぜ?

ジルコンとジルコニアは?何が違うの???

今回は、そんな名前が紛らわしい宝石を取り上げて解説します。

ジルコンとジルコニアは同じ鉱物?

ブルージルコン
宝石屋はとても怒っています!

全く違うのに、世間では同じ石のように言われてしまう宝石もあります。
まずは、その代表例であるジルコンとジルコニアのお話からしましょう。

この2つ、どれだけ違うのか?

はっきり言うと、ジルコニアは偽物の合成石
しかし、ジルコンは世界最古の鉱物。ダイヤモンドより古い歴史を持つ、れっきとした本物の宝石です!

よく聞かれるのが、

「ジルコニアって、ジルコンの合成石じゃないの?」

という質問。キーッ!全く違います!

ジルコンは二酸化ジルコニウムが主成分の珪酸塩鉱物。日本名は風信子石(ヒヤシンス石)という素敵な名前が付いています。

※ジルコンについての詳細はこちら
▶︎硬度7半 ジルコン | (宝石の国) 28キャラを宝石屋が全力で解説する
▶︎れっきとした宝石なんです!ブルージルコンにまつわる疑問5個

ジルコニアの正式名称はキュービック・ジルコニア。合成石、人造宝石と呼ばれる真っ赤なニセモノです。1977年に旧ソビエトで製造され、現在はアメリカや中国などで大量に作られています。

よくネットでダイヤモンドが格安で販売されていますが、説明を読むと小さく「czダイヤモンド」と書かれていることがあります。アレがこのジルコニアです。

宝石業者でもこの2つの違いを知らない人が実はいます。
その人たちがジルコニアのことを「合成ジルコン」などと呼んだためにますます紛らわしくなってしまいました。

ジルコンは本物の鉱物ジルコニアは偽物の合成石ですから、しっかり覚えてくださいね。

アゲートとカルセドニーは同じ鉱物?

アゲート
アゲートもカルセドニーも、鉱物的に言うと石英の仲間
宝石でいうと瑪瑙(めのう)です。

両方とも大昔から人々に愛されてきた宝石で、アゲートは今からおよそ4000~3000年前に栄えたインダス文明の遺跡から、カルセドニーは人類最古の文明であるメソポタミアでアクセサリーや印章が見つかっています。

地表近くの溶岩が冷えて岩石になるときに、内部に水蒸気やガスの気泡が入り込んで隙間を作ります
溶岩が冷えた後にその隙間に地下水が入り込み、含まれていたケイ酸がゆっくりと沈殿してミクロサイズの結晶ができます。これが瑪瑙です。

瑪瑙は結晶ができる過程で縞模様ができたり、不純物が混じって赤や黄色、緑といった色の変化が生まれます。

瑪瑙の中で縞模様があるものを「アゲート」、縞模様がない透明感のある石を「カルセドニー」と呼びます。

カルセドニーの中でも、青リンゴのようなみずみずしいグリーンの石は「クリソプレーズ」と呼ばれます。

縞模様ではない模様のついた瑪瑙は「ジャスパー」と呼ばれ、模様の柄によって「錦石」「鹿の子石」「孔雀石」「ポピージャスパー」「レッドジャスパー」などいろんな呼び名が付いています

結論から言うと、アゲートとカルセドニーは同じ鉱物。見た目がちょっと違う兄弟のような間柄です。

琥珀とコーパルはどう違う?

アンバー
アゲートとカルセドニーは模様や色の違いで名前が変わりますが、同じ成分でも質や硬さの違いで名前が変わることもあります。

その代表例が琥珀とコーパルです。

琥珀(アンバー)は、主に松柏類の植物が分泌した樹液(樹脂)が、およそ3000万年以上という長い時間をかけて固まったものです。

反面コーパルは数万年前に固まったもの。同じ樹木の樹脂ですが、琥珀が寒冷地の樹木の樹脂が固化したものに対し、コーパルは熱帯の樹木の樹脂が固まったものです。

樹液中の特定の成分は地質学的な時間の経過で次第に固まっていき、最終的にプラスチックのような固まりになりますが、コーパルは琥珀のように完全に硬化していません

そのため琥珀に比べると色が淡く、硬さが非常に弱いために時間がたつにつれてヒビが入ったり曇ったりします

そのためコーパルは「若年版アンバー」という名称で表現することもありますが、琥珀とは比重も違います。琥珀は食塩水に入れると漂いますが、コーパルは軽いので浮きます

最後に

混乱
いかがですか。このように名前が紛らわしい宝石って結構あるのです。

ご存知かも知れませんが、サファイアとルビーは同じコランダムという鉱物から、アクアマリンとモルガナイトもベリルという同じ鉱物からできています。

同じベリルでもアクアマリンよりも地下深く高い圧力でできた宝石がエメラルドです。

なんだか頭がこんがらがってしまいますが、1つ1つ、その背景を知ることも宝石の楽しみの1つ。

知れば知るほど面白い、それが宝石なんですよ!

リカラット編集部 監修

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