21世紀を代表する天才ジュエラーはこの2人!「ケヴィン・コーツ」と「JAR」

Kevin Coates作品

出典元:https://ameblo.jp/white-danae/

21世紀を代表する天才ジュエラーはこの2人!「ケヴィン・コーツ」と「JAR」

今でも宝石業界に名前を残す天才ジュエラー、「アーティスト」といえば、ルネ・ラリック。そして「鬼才」と呼ばれたサルバドール・ダリ

しかし21世紀、この2人を揺るがす天才アーティストが生まれました。
それが「ケヴィン・コーツ」「JAR」です。

二人ともルネ・ラリックの再来と呼ばれ、その作品は買うことも見ることもごく稀。
まさに知る人ぞ知るジュエラーです。

この二人の作品の特徴は、一見したら忘れられない奇想のデザインと、そのデザインを支える見事な技術力。

まるで絵画のような物語性のある作品は、ジュエリーというよりは、極上の美術品といった感じです。

宝石好きでもあまり知る人が少ない、天才ジュエラー「ケヴィン・コーツ」と「JAR」。
この二人の魅力をご紹介しましょう。

イギリスの天才奇人「ケヴィン・コーツ」

「ケヴィン・コーツ」の本業は音楽家。しかも29歳の時に「楽器の設計における数学の応用」という論文で博士号をとった天才です。

7歳の時にヴァイオリンを習い始め、16歳から18歳にかけてオーストラリアで音楽の勉強をしていたケヴィン・コーツ。

彼がジュエリーを学んだのは、たったの3年間。王立工芸学校で73年から76年の間だけです。

こよなく音楽を愛し、演奏活動を続けるケヴィン・コーツのジュエリーは、独立独歩、売れるかどうかは問題ではなく、好きな時に好きなものを作るというスタイル

しかしその作品があまりに独創的で素晴らしいために、たちまち宝石業界で話題になります。

が、あまりにも寡作なために、ケヴィン・コーツの作品が見られるのは数年に1度の展示会のみ。

主な展示会は85年のヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、91年のゴールド・スミスホール、95年のロンドン、99年のベニス、2005年のボストンなど。
いまだかつて、日本では開催されたことはありません。

鳥籠、蛇、天使といった具象的なモチーフを、象牙、七宝、ブロンズ、鉄といった金銀プラチナ以外の素材を自在に制限なく使って作る独創的なセンス。

時には幾何学的な図形やラテン語なども取り入れたケヴィン・コーツの作品は、ギリシャ神話や聖書を連想させ、美術宝飾品というべき作品に昇華しています。

自宅の3畳間でコツコツと全ての工程を自分で仕上げるというケヴィン・コーツのジュエリー。
作品の数よりも、彼の作品を待ち望む顧客の数の方が断然多いとか。

彼のデザイン画は、彼の死後、全てヴィクトリア・アンド・アルバート美術館に寄贈される約束となっているそうです。

マスコミ嫌いのカルト作家「ジョエル・アーサー・ローゼンタール」

「JAR」という変わった呼び名は、本名である「ジョエル・アーサー・ローゼンタール」の略。
アメリカ人のジュエリー作家ですが、創業はフランス。

あらゆるマスコミを嫌い、世間に出るのも嫌悪する彼は、自分の生年すら公表していません

彼のデザインの特徴は、迫力のあるパヴェ・セッティング。爪がほとんど見えないセッティングはまさに宝石の魔術師。神業です。

ハーバード大学で美術史と哲学を勉強した「JAR」は、ローマのブルガリに入社します。そこで数年働いた後、1978年、パリのヴァンドーム広場に店を構えました。

虚名をマスコミに売り込むような宣伝活動は一切せず、ひたすら自分の創作に打ち込む「JAR」。

彼は、”すでに過去の技術”と多くのデザイナーが無視していた古い技術、銀を台座に使って漆黒に仕上げ、動植物をモチーフとした作品を生み出します。

石を留める爪を最小限の大きさにし、さらにエナメルを施すなど、色石の美しさを最大限に表現した作品は、まさに「生きる宝石」

生々しいほど生き生きした作品は、彼と数人の職人しか作れない神業と称されています。

マスコミ嫌い、人嫌いの彼の店はヴァンドーム広場にありながら、探すのは結構大変です。

正面は3間ほど、ドアが1つと30センチ程度の窓しかなく、それ以外は全て黒い布が下がっていて、中は全く見えないようになっているとか。

店内にあるのはソファーと机。店員はイケメンの美青年。

顧客を見て適当な商品を用意するのはあくまでも店側。気に入らない人には売らないそうです。

JAR自身が販売するときは、顧客に目を閉じてもらい、その手にそっと新作を乗せてから目を開けてもらって商品を見てもらうのだとか。

買うか買わないか、その場で決めてもらうという「JAR」の販売方法。

打率は8割程度だそうですが、それでも作品を待っている人は数百人もいるそうです。

最後に

ジュエリー制作

いかがですか。
黙ってても売れる、天才作家、「ケヴィン・コーツ」と「JAR」。

どちらも売りたい商品よりも買いたい人の方が多い、20世紀を代表するジュエラーです。

「ケヴィン・コーツ」と「JAR」の作品は、数点オークションで競売にかけられても、すぐに販売価格の数倍の値段で落札されるといいます。

これこそまさに、「財産価値のある宝石」といえそうですね。

*参考文献*
『ブランドジュエリー30の物語」山口遼 東京美術

リカラット編集部 監修

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