6月の誕生石「ムーンストーン」の魅力に迫る!
ムーンストーンとは月の光のような柔らかくぼんやりとした光を放つ、青みを帯びた乳白色の宝石のことです。
インドでは月の光が固まって宝石になったのだと信じられており、そのまま名前の由来にもなっています。
今回はそんなムーンストーンの魅力について、詳しくお話ししたいと思います。
6月の誕生石ムーンストーンとは?

淡い色の光を放つ幻想的な印象の宝石、ムーンストーン。
日本では6月の誕生石としても人気の高い宝石で、馴染みのある方も多いのではないでしょうか?
カボションカットに研磨されたムーンストーンからは、まるで月の光のような、ミルキーな光を感じることが出来、とても不思議な印象を与えてくれます。
インドでは月の光が固まって宝石になったと信じられている歴史ある宝石で、石の地色は主にブルーやホワイト系が多いのですが、実はオレンジやイエローなどもあります。
ムーンストーンの最大の特徴は、何といってもシーン(またはムーンストーン効果)と言われる、ぼんやりとした青白い光です。
アデュラレッセンスとも言われるこの効果は、オーソクレースとアルバイトとの互層構造によって微細な光の内部反射と干渉が起こることで現れます。
ちなみに、ムーンストーンとは宝石名です。いわゆる商品名のようなもので、鉱物種はオーソクレーズといいます。
長石グループに属し、個性的な宝石が多い鉱物種の一つです。
長石グループは、20種類以上からなる鉱物のグループなので、多くの鉱物種が存在しますが、大きく分けると2種類に分けられます。
一つはカリウムかナトリウムが含まれる(もしくは両方を含む)アルカリ長石類。
もう一つはナトリウムとカルシウムが含まれる(もしくは両方を含む)斜長石類(しゃちょうせきるい)です。
その中で宝石として扱われるのは、オーソクレーズ、マイクロクライン、オリゴクレース、ラブラドライトです。
ムーンストーンの種類

ムーンストーンには、いくつか種類があります。順番にご紹介していきますね。
クリアな中に光る青いシラーが美しい、ブルー・ムーンストーン
クリアな中にぼんやりと青白い光を放つムーンストーンのことを「ブルー・ムーンストーン」と言います。
その中でもより青みの強い、青い虹のような光を放つものを「ロイヤルブルー・ムーンストーン」と言います。
しかし昔はブルー・ムーンストーンとは、ムーンストーンとは鉱物種の違うホワイトラブラドライトのことを指していました。
特にスリランカで産出されたもののみがブルー・ムーンストーンとされていた時代もあるのですが、最近は別の鉱物種のペリステライトのこともブルー・ムーンストーンと呼ぶようになっています。
しかもスリランカでは採掘できなくなってしまいましたので、本来のブルー・ムーンストーンを手に入れるのは現在では不可能に近いといっても過言ではありません。
そのせいか、クリアな地の色で青いシラーを強く感じる長石であれば、ブルー・ムーンストーンと言ってもいいというのが現在の市場の流れになっています。
七色の光を放つレインボー・ムーンストーン
クリアな地色の中で七色の光を放つものをレインボームーンストーンと言います。
先ほど、ブルー・ムーンストーンの中で鉱物種がオーソクレーズだけでなく、ホワイトラブラドライトやペリステライトでも、クリアな地色にブルーのシラーがあればブルー・ムーンストーンというとお話しをしましたが、レインボー・ムーンストーンはクリアな地色に七色の光を放つホワイトラブラドライトのことをいいます。
鉱物種が違うのに「ムーンストーン」

前述もしていますが、ムーンストーンとは宝石名で、いわゆる商品名のようなものです。
鉱物種はオーソクレーズなのですが、ムーンストーンと言われて販売されているものの中には、別の鉱物種のラブラドライトやペリステライトもあります。
ラブラドライトやペリステライトにもムーンストーン効果が確認できます。
またオーソクレーズ、ラブラドライト、そしてペリステライトのこの3つの鉱物は、外見的にもとてもよく似ています。
その上、ブルー・ムーンストーンやレインボー・ムーンストーンがラブラドライトのことを指すなど、特に混乱されやすいと言えます。
そのため、ムーンストーンは奥が深い宝石と言われ、専門家でも見た目だけでは判別が難しいとされています。
最後に

柔らかい光を放つ幻想的な魅力が特徴的なムーンストーン。
私たちにとってムーンストーンは、パワーストーンとしてもよく見かける、身近な存在の宝石の一つではありますが、実はとても奥が深い宝石の一つで、「宝石屋泣かせの宝石」と言われている位です。
でもなんだかそんな一筋縄ではいかない裏話を知った上でムーンストーンを見てみると、さらに幻想的で不思議な宝石に見えてきませんか?
大きなカラットのものだと少し欠けやすい硬度6の宝石なので、ネックレスが特におすすめです。
装いを選ばない色合いの宝石ですから、デイリーに楽しむならピアスやイヤリングも素敵ですね。
そして柔らかい光を放つ宝石なので、昼間に身に着けるのがおすすめ。
※詳しく知りたい方はこちら(フォーマルな場でのジュエリーは?冠婚葬祭、宝石のルール)
6月生まれの方も、そうでない方も、一つは持っておいて損のない大活躍してくれる宝石ですよ♪
リカラット編集部 監修