人はなぜ指輪をつけるの?指輪を贈る時に知っておきたい指輪の歴史

結婚指輪

小学6年生の時に古代エジプト展に展示されていた宝飾品を観て宝石にハマる。大学で金工を専攻。宝石の卸売会社で7年間働いた経験あり。好きな石はダイヤモンドと翡翠。

人はなぜ指輪をつけるの?指輪を贈る時に知っておきたい指輪の歴史

突然ですが、あなたは左手の薬指に指輪をはめていますか?

あら、はめていない。もしかして独身?と思うのは、日本、イギリス、フランス、アメリカ、イタリアの人々のみ。

実はドイツ、ロシアなどゲルマン系やスラブ系の国々の人々は、「右手の薬指」に結婚指輪をするのだそうです。

またユダヤ教では新婦は「右手人差し指」に嵌めるそうですよ。

そもそも、人はなぜ指輪をつけるのか?実はとっても面白い、指輪を贈る時に知っておいて欲しい指輪の歴史をご紹介します。

日本で最初に指輪をはめたのは男性だった

支倉常長

出典:『指輪の文化史』浜本隆志
河出書房新社より

指輪の歴史はとても古く、古代エジプトやメソポタミア時代から人々は指輪をしていました。

しかし日本の宝飾史には、「空白の1100年」と呼ばれる時代があり、縄文、弥生、古墳時代には数多く出土していた勾玉や耳飾りといった宝飾品が、奈良時代からふっつりと歴史上消滅してしまいます。

そして日本に「指輪」というものを持ち込んだのは、安土桃山時代の宣教師たち

この時代に活躍した宣教師フロイスの記述が書かれた『ヨーロッパ文化と日本文化』には、

「ヨーロッパの女性は宝石のついた指輪その他の装身具を身につける。しかし日本の女性はいっさい指輪をつけず、金、銀で作った装身具も用いない」

と書かれています。この時代、唯一指輪をつけていた記録が残っているのは、当時伊達政宗の臣下だった支倉常長の絵画です。彼は渡欧してクリスチャンとなり、指輪を装着して自身の肖像画を遺しています。

このようにスペインやポルトガルの宣教師たちが、九州や中国地方、近畿地方に渡来し、キリスト教とともに指輪を流入したのです。

日本にダイヤモンドの指輪が登場するのはいつ?

ダイヤモンドリング

その後、徳川幕府の鎖国令によってこれらの「南蛮文化」は完全に遮断されてしまいます。再び指輪が日本人に浸透し始めたのは江戸時代末期のころでした。

そして、日本で初めて「ダイヤモンド」が登場するのは江戸時代中期

「金剛石」と書かれ、「ギヤマンテ」「デヤマンテ」と呼ばれたと記されています。

この他にも明治2~3年ごろには長州の毛利家がダイヤ入りのかまぼこ型のリングを作らせた、とか、発明家で新し物好きだった平賀源内が1762年に湯島で開催した物産会に、ダイヤモンドの指輪が出品された、などという記述が残っています。

日本では指輪は最初、男性が目をつけ、好んではめていたようです。

「婚約指輪」として、いわゆる立て爪のダイヤモンドの指輪が浸透するのは昭和30年から40年代。意外にまだ歴史は新しいようですね。

人はなぜ指輪をつけるの?

ダイヤモンドリング

古代ギリシャの俗説では、心臓から左手薬指に流れる導管(血管)は愛の導管と考えていたとか。そこから結婚指輪は左手薬指にはめることが「愛のシンボル」となったようです。

しかし古代ローマ時代、結婚は親同士が決めるのが習わし。

通常男性側から未来の花嫁の父親に相応の婚資を贈り、売買契約(婚約)が成立すると、証として女性に指輪をはめたそうです。

指輪の歴史を「結婚」という観点から考えると、「指輪=契約」という意味。

つまり指輪は「愛」より「金」の領収証。

この時代、婚約は結婚よりも重要なセレモニー。
この指輪を交換する「婚約式」には、それぞれの家族親類が集まって証人の役割を果たしたそうです。

実は大変だった6月の花嫁

花嫁

現在では日本でも「ジューン・ブライド」といって6月の花嫁は幸せになれる、といわれていますが、実際にはそうでもないようです。

今も昔も6月といえば穀物類の収穫期。農家は人手不足で大変でした。

ですから6月は「花嫁という働き手」を確保するために、どこもかしこも結婚ラッシュだったとか。。。

なんだか全然愛じゃないのね。
これを知っていれば6月に結婚しなかったのに……(泣)という方、すみません。

幸せになれる、というなら11月の作物が豊作を迎える実りの時期の方が当てはまるような気がします。。。

最後に

花婿花嫁

甘いロマンスを期待していた方、ごめんなさいね。全然愛じゃなかった指輪の歴史を語ってしまいました。

もともと指輪を好んでつけていたのは、権力者や宗教家の偉い人たち。

そして権威の象徴、護符、または契約のときの印章として指輪を用いていたのはもっぱら男性。

それがなぜ女性が指輪をするようになったか、フェミニストのバーバラ・ウォーカーはこう語っています。

「男たちが女性の左手に結婚指輪をはめるのは、女たちの魔力を封じ、女たちの心をつなぎとめておくためっだった。」

なるほど。確かに人間はエロスが絡むと魔法が使えます。

その魔法に必要なのが指輪です。
なんたって、好きな男性から指輪をもらったら、女性は空も飛べますからね。

*参考文献*
『指輪の文化史』浜本隆志 河出書房新社

リカラット編集部 監修

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