ペリステライトがブルームーンストーンと呼ばれる理由とムーンストーンとの違い

ペリステライト

ペリステライトがブルームーンストーンと呼ばれる理由とムーンストーンとの違い

青いシラー効果を見せる幻想的な宝石、ブルームーンストーン。

実は、この宝石の正体はペリステライトやラブラドライトといった本来のムーンストーンと別の宝石であることが多いとか。

ペリステライトは、なぜブルームーンストーンと呼ばれるようになったのでしょうか。

今回は、ペリステライトに少しスポットライトを当てて、鉱物としての特徴やムーンストーンの関係から違いまでを、徹底解剖してみました!

ブルームーンストーンとは

ムーンストーン

ムーンストーンといえば、月光のように輝く、白色や青色のシラーを見せる宝石として知られていますよね。

今回お話するのは、青いムーンストーン、すなわち『ブルームーンストーン』です。

これは青色味の強いシラーを見せるムーンストーンのこと。

かつては青いシラーを見せる本物のブルームーンストーンも存在したのですが、鉱山が閉山したことから産出がストップ
現在では殆ど流通していないといわれています。

このことから、ムーンストーンと同様のシラー効果を見せるラブラドライトペリステライトが『ブルームーンストーン』として流通するようになったという訳です。

本来のブルームーンストーンの価格が高騰してから、まずはラブラドライトによる『ロイヤルブルームーンストーン』が出回りましたが、最近よく見かけるのは、ぺリステライトの『ブルームーンストーン』の方です。

ということで、もう少しぺリステライトについて、詳しくご説明していきましょう。

ペリステライトとは

ブルームーンストーンとして流通しているぺリステライト。鉱物としてはどのような特徴をもっているのか、まずはその性質や名前の由来など、基本情報から探ってみましょう。

ペリステライトの性質

ペリステライトの成分比は、アルバイト(曹長石)とオリゴクレース(灰曹長石)の中間に位置し、ペリステリズムと呼ばれるムーンストーンに似た青いシーン効果を呈します。

ペリステライトのモース硬度は6で、ムーンストーンと同じです。

屈折率も近く、同じようなガラス光沢を見せることから、カットしたペリステライトは、ムーンストーンにとてもよく似ているのです。

ペリステライトの名前の由来

ペリステライト(Peristerite)という名前は、ギリシャ語で鳩という意味の『Peristera』を由来とします。

その理由は、カナダ産のペリステライトはイリデッセンス模様が鳩の首回りにある羽根の色に似ているからということです。
また、羽ばたいた時の羽根の色にも似ているといわれています。

ペリステライトの産地

良質のペリステライトは、カナダのオンタリオ州やケベック州で産出されます。

前述した名前の由来の通り、カナダ産のペリステライトは、鳩の首回りの羽根の色に似た、上質のシラー効果を見せることで知られています。

ムーンストーン とペリステライトの 違い

では、硬度が同じで見た目もそっくりなムーンストーンとペリステライト、これらの宝石の違いとは何でしょうか。

まずは鉱物的な違いを探ってみましょう。

ムーンストーンとペリステライトの性質の比較

鉱物としての違い

鉱物名 ムーンストーン ペリステライト
結晶系 単斜晶系 三斜晶系
化学組成 カリウム・アルミニウム珪酸塩 ナトリウム・カルシウム・アルミノ珪酸塩
硬度 6 6
比重 2.57 2.64
屈折率 1.52-1.53 1.54-1.55
複屈折率 0.005 0.007-0.011
光沢 ガラス状 ガラス状

ムーンストーンとペリステライトは同じ長石(フェルドスパー)の一種ですが、その中でもさらに細かく分類されると違いが分かります。

簡単に説明しますので、比較してみましょう。

成分、特殊効果の違い

鉱物名 ムーンストーン ペリステライト
鉱物種 長石(フェルドスパー) 長石(フェルドスパー)
細分類 アルカリ長石(アルカリフェルドスパー) 斜長石(プラジオクレース)
成分 オーソクレースの成分をもつ アルバイトとオリゴクレースの中間の成分をもつ
特殊効果 アデュラレッセンスを見せる イリデッセンス(ペリステリズム)を見せる

ペリステライトの鑑別書

ブルームーンストーン(ペリステライト)を鑑別書に出すと、このようになります。

ペリステライト

 

ぺリステリズムとは?

ペリステライトが見せる青色のイリデッセンス(シラー効果)を、ペリステリズムと呼びます。

ペリステライトはアルバイトとオリゴクレースが層状に重なっています。ラメラ構造と呼ばれる表層に光が当たることで、干渉が起きて虹色のイリデッセンスを見せるのです。

ペリステライトの価値

1カラット未満で数百円のものがほとんどですが、上質のぺリステリズムを見せ、透明度が高いものは、1カラット当たり数千円という価値が付けられています。

まとめ

鳩

いかがでしたでしょうか。

本物のブルームーンストーンが産出されなくなったことから、見た目が似ているペリステライトが、ブルームーンストーンと呼ばれて流通するようになったということが分かりました。

鳩の羽毛の光沢に似た美しいイリデッセンスは、ペリステライト独特のぺリステリズムと呼ばれ、愛好家の皆様にも人気です。正式名である『ペリステライト』としてのファンも多いようですよ。

リカラット編集部 監修

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ABOUTこの記事をかいた人

マクロクリンイクミ。Gem-Aで学んだ後、2001年にFGAとDGAを取得。宝石の歴史や伝説などについてのお話と、19世紀末のアール・ヌーヴォーのデザインがお気に入り。好きな宝石は、深いコバルトブルーをしたアウイナイトです。ロンドン在住。