魚眼石 アポフィライトについて クォーツとの見分け方など

アポフィライト 原石

透明度の高いクリアなものや、パステル調の可愛らしい色合いまで多色な宝石、アポフィライト。

とてもデリケートな宝石で宝飾品には向かないとされていますが、とても愛らしい色合いが魅力的です。

今回はそんなアポフィライトの特徴や種類、名前の意味などをお話ししたいと思います!

アポフィライトとは

特徴

クリアなものや、パステル系の色合いの印象が強いアポフィライト。

多くの色合いが存在しますが、中でも透明度の高いアポフィライトはクォーツとそっくりなものもあります。

モース硬度は5

劈開性が高く割れやすいことから加工が難しいとされています。

水分を多く含んでいることから熱に弱いといわれていますので直射日光にも注意しましょう。

名前の意味

ギリシャ語で“離れる”という意味のapo“葉っぱ”という意味のphyllonを合わせてアポフィライトと名付けられたといわれています。

“離れる”は劈開性の高さによる割れやすさから、葉っぱは水分含有量の多さから熱が加わるとフレーク状になり壊れやすくなることから由来しているそうです。

石の表面の輝きが魚の目に似ていることから、欧米では「フィッシュアイ・ストーン」と呼ばれ、和名はそこから由来して「魚眼石」といいます。

アポフィライトの歴史

アポフィライトが採掘されるようになったきっかけは、19世紀の中ごろからスタートしたムンバイとプーナを結ぶデカン鉄道(インド半島鉄道)の建設だといわれています。

当時のインドには鉱物を採取する文化がなかったため、美しい石が採れることは知っていたものの、術もなく放置されていたものを植民地として開発し始めたイギリス人が目をつけ掘り始めたのだとか。

また、精神修行であったり儀式の際にも利用されていたと言い伝えられています。

産地

インド、アメリカ、メキシコ、ブラジル、カナダ、スコットランド、アイルランド、スウェーデン、ドイツ、日本など。

クリア、ホワイト、グレー、ライトイエローに、グリーンなど。

さまざまな色があるアポフィライトですが、特にグリーンカラーのものが、人気が高いといわれています。

これは宝石品質と呼ばれるような質の高いものが多いことと産出量が少ないことが理由のようです。

アポフィライトの種類

アポフィライト 原石

もともとアポフィライトは1種類の鉱物であると認識されていましたが、のちに構成成分の違いから3つに分けられることが分かりました。

それぞれ違う名前がつけられ、違う鉱物として扱われていますが、肉眼で判断することが難しく、成分も互いに交じり合っていることが多いため、実際に区別するのは安易ではないことが多いようです。

現在大別されているアポフィライト3種をご紹介します。

フルオ・アポフィライト

産出量が最も多く、アポフィライトとして市場に出回るものが多いのもこのフルオ・アポフィライトです。

フッ素が多く含まれており、和名をフッ素魚眼石といいます。

ハイドロキシ・アポフィライト

水酸基が多く含まれており、和名を水酸魚眼石といいます。

フルオ・アポフィライトと同じ正方晶系です。

ナトロ・アポフィライト

フルオ・アポフィライトに含まれるカリウムがナトリウムに置き換わったものといわれています。

和名をソーダ魚眼石といいます。

3種のうちこのナトロ・アポフィライトのみ斜方晶系で、岡山県で発見されました。

アポフィライトの原石の形

正方晶系や斜方晶系のアポフィライトの原石の形は、四角柱状態の柱状や板状にキューブのような立方体状、先がとがったピラミッド状の結晶となります。

アポフィライトとクォーツの違い

アポフィライト 原石

アポフィライトとクォーツは一見するとよく似ているので間違いそうになったり、また、販売店によってはアポフィライトにクリスタルと名前を付けて販売していることがあると聞いたことがあります。

原石の場合の見分け方が多くなりますが、肉眼で確認出来る違いもあるので、いくつかご紹介しますね。

結晶の形の違い

クォーツは六角形、六角柱であるのに対し、アポフィライトは四角形、四角錘です。

原石の結晶の状態でキューブ状やピラミッドのような四角錘をしていた場合はアポフィライトかもしれません。

条線の方向の違い

成長線や、バーコードともいわれる柱の表面に現れる条線といわれる線のような模様で確認する方法もあります。

クォーツは横線となるのに対し、アポフィライトは縦線になります。

ペンライトで光る

柱面に垂直な方向の面に光を当てると、アポフィライトは“魚眼石”の名前の通り、ぎらついた光を放ちます

クォーツは透明度が高くても、このような反射光は見られません。

硬度の違い

肉眼で確認はできませんが、クォーツはモース硬度7、アポフィライトはモース硬度5と硬さに大きな違いがあります。

モース硬度7であるクォーツは宝飾品として加工されていることが多いですが、モース硬度5であるアポフィライトは簡単に欠けてしまうので宝飾品に仕立てられることは少ないといえるでしょう。

原石で販売されているときも、先が欠けているものが多く存在したらアポフィライトかもしれません。

最後に

四角柱の結晶、アポフィライト。

光を当てると緑がかった青っぽい光を放ち、時には「グリーンクリスタル」という名前で販売されることもあると聞きます。

とってもデリケートな宝石で、どちらかというと宝飾品よりも原石として楽しむのに向いている宝石かもしれません。

可愛らしいパステル系の色合いも多いので、機会があれば是非手にしてみてくださいね♪

リカラット編集部 監修

ABOUTこの記事をかいた人

毎日200個以上の宝石に触れる仕事をしています。宝石のことをあまり知らない方にも、分かりやすい記事作りを心掛けています。オードリーヘップバーンの映画を観てからクンツァイトに魅了されています。