コンパスとして利用された?氷のような宝石 カルサイトとは

カルサイト ルース

太陽の光を受けると光の筋が二つに分かれる性質を持つ、カルサイト。

その昔コンパスのない時代にバイキングたちが雲に隠れて見えない太陽の位置を知る為、航海に利用していたとされる「サンストーン」の正体だといわれています。

今回はそんなカルサイトの魅力だけでなく、特徴やお手入れ、保存方法なども交えてお話ししたいと思います!

カルサイトとは?

和名で方解石(ほうかいせき)と呼ばれるカルサイトは、ラテン語の“calcit/石灰” から由来して名付けられたといわれています。

名前の通りカルシウムを豊富に含んだ宝石で、海水中の炭酸カルシウムが沈殿して結晶化したものです。

カルサイトと聞くとピンとこなくても、大理石というと「知ってる!」という方が増えるかもしれませんね。

大理石はカルサイトが粒状に集まって出来た石で比較的大きな原石が産出するので、石材や彫刻の材料としても多く利用されます。

カルサイトの中でも無色透明なものは氷州石(ひょうしゅうせき)と呼ばれ、名前の通り氷のような見た目をしています。

特にアイスランドから産出されることが多いことから、別名をアイスランドスパー、ともいいます。

モース硬度は3

劈開が3方向に極めて完全で起こりやすいため、衝撃に弱く、取り扱いには注意が必要です。

産地

アイスランド、アメリカ、チェコ、ドイツ、メキシコ、日本など。

氷のような見た目の氷州石アイスランドの他、日本でも産出されます。

特徴

カルサイトといえば「複屈折(double refraction)」という光学現象を持つ石として知られています。

これは“文字の上に置くと文字がダブって見える”「ダブリング(二重像現象)」という現象が見られるもので、理科の実験などでもよく利用されています。

この特徴を利用して、雲に隠れて目では確認出来ない太陽の位置を知るコンパス(羅針盤)として昔の船乗りやバイキングたちが利用したといわれています。

余談ですが、磁気コンパスだと大砲の振動で乱れてしまうから予備で使っていたという説もあるそうで、薄明の状態でも誤差は2、3度程度だったともいわれているそうです。もし本当ならなかなか精度の高い光学コンパスといえますね。

また、カルサイトはどんなに叩いて小さく割ってもマッチ箱をつぶしたような菱形になるのですが、これは劈開が3方向に極めて完全で起こりやすいという特質から起こる現象です。

そしてこの特質が故に、ある一定方向から衝撃が加わると割れやすいため、宝飾品にはあまり向いていないとされる宝石でもあります。

無色透明、ホワイト、イエロー、ブルー、ピンク、グリーン、オレンジなど。

ニッケルを含むとグリーンに、鉄分を含むとイエローやオレンジに、マンガンを含むとピンクに、というように鉱物内に含まれる成分によって色の変化が見られます。

カルサイトの種類

カルサイトは種類が多いといわれますが、同じカルサイトの仲間でも“似た化学組成を持ち同じ結晶構造”である類質同像と、“同じ成分なのに違う結晶構造”である同質異像の二種類が存在します。

類質同像にはロードクロサイト、マグネサイト、ガスペイト、シャーマナイトなど。

同質異像にはアラゴナイトがあります。

ちなみに、カルサイトとアラゴナイトの関係として、地表付近ではカルサイトの方が鉱物として安定していることから、アラゴナイトとして産出されたものが時間の経過とともにカルサイトに変化してしまう、ということもあるそうです。

カルサイトのお手入れや保存方法は?

カルサイトは炭酸カルシウムを多く含んだ鉱物なので水分に弱い性質があります。

水を使ったお手入れは避け、使用後は柔らかい布などで拭く程度にしましょう。

硬度も低く劈開が起こりやすい性質でもあるため衝撃にも弱い宝石です。

保管をする際には、湿気を避け、かつ衝撃を与えないよう他の宝石とは分けて保管した方が良いでしょう。

また薬品にも弱いので、ジュエリーとして使用する際は特にヘアスプレーや香水が当たらないように気をつけてくださいね。

最後に

文字や光をダブって見せるダブル・リフラクションどこまで割っても菱形の結晶となる、不思議な宝石カルサイト。

昔は宝飾用には向いていない宝石とされていましたが、現在では研磨技術が発達したことで球体にも研磨可能となり、ネックレスやブレスレットなどの宝飾品としても目にするようになりました。

また、無色透明のカルサイトの見た目はまさに氷やクリスタルのように美しく、観賞用にもぴったりな宝石だと思います。

リカラットSHOPでも取り扱うタイミングがありますので、良かったら時々チェックしてみてくださいね♪

リカラット編集部 監修