「瞬時に合成ダイヤモンドを見分けるGIA  iD100™とは?」

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「瞬時に合成ダイヤモンドを見分けるGIA iD100™とは?」

「つかまされたと思う」

「もしかして買い取っちゃったかもしれない」

こんな声が宝飾品の街、東京・御徒町の宝石買い取り店からささやかれ始めたのは1990年代あたりから。合成ダイヤモンドの存在は、今や宝石業界では常識です。

「年間で合成?と思われる石に数個は出会いますね。」という宝石を鑑定する専門家の声も。あなたのダイヤモンド、もしかしたら合成ダイヤモンドかも……?

そんな業界に新たな救世主が!今回は最新鋭のニセダイヤモンドを判別できる機械、iD100™についてご紹介します!

宝石業界に朗報!2018年、GIAが生み出したiD100™とは?

2018年5月、ベルギーのアントワープで開催された「CARAT +」は、ダイヤモンドとダイヤモンドジュエリーの最新トレンドが集まる世界最高峰のダイヤモンドイベント。世界中のダイヤモンドジュエリーの卸売業者やメーカー、小売業者が集まります。

そのイベントで宝石学の世界で最も権威のある宝石鑑定機関、GIAのブースで発表されたのが、こちらの機械。

天然ダイヤモンドと合成(HPHTおよびCVD)ダイヤモンドを区別するという最新式の宝石検査装置。その名もiD100™です!

メレダイヤも看破! iD100™の凄い性能

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この機械、見た目のシンプルさとは裏腹に、凄い技術が評判です。高度な分光技術とGIAの60年間のダイヤモンド研究の全てを注ぎ込んで作られたデスクトップ型の機械。

とてもコンパクトながら、約0.005カラット(ダイヤモンドの直径が0.9 mm以上)という極小のメレダイヤでも、天然ダイヤモンドと合成(HPHTおよびCVD)ダイヤモンドおよびダイヤモンド模擬物を判別できるとか!

実際にやってみた画像がコチラ。

1カラットは0.2グラム。0.005カラットだと0.0025グラム。はっきり言って肉眼で見えるの?レベルの小ささです。こんな小さなダイヤモンドでも真贋を見分けられるなんて、まさに神業!

たった2秒で判別!

それだけではありません。こちらの iD100™は、無色~ほぼ無色のダイヤモンドの識別が可能で、そのスピードはたったの2秒。(カラーダイヤの判別はできません)

ダイヤモンドに機械の先端を当てた瞬間に「パス!」という声が聞こえたらホンモノ。とっても簡単デス。

この iD100™という機械、お値段は定価:$ 4,995.00 USD。日本円で約60万円弱ぐらい。決してお安くはありませんが、この機械の需要は世界中でワンサカあるでしょう。なぜなら、現在合成ダイヤモンドは「市場」ができるぐらい需要が広がっているからです。

中国は合成ダイヤモンドの原産国

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少林寺の元祖、中国の河南省では、1970年代の後半から1980年代にかけて、なんと「国策」により合成ダイヤモンドの製造が推奨され、専門の会社が続々と設立されました。その数およそ80社以上
中でも業界の「3大巨頭」と呼ばれる「河南⻩河旋風股份有限公司」「中南钻石 股份有限公司」「鄭州華晶金剛石股份有限公司」会社で作られる宝飾用の無色合成ダイヤモン ドの生産量は年間で120億ct以上だとか。中国で上位4社にランキングされています。(2016年のリサーチ情報)

2週間でできる合成ダイヤモンド

地球のマグマの奥深く、何億年もかけて生み出される天然ダイヤモンド。しかし合成ダイヤモンドは高温高圧機械の中で1~ 2週間でできてしまうとか。しかも天然ダイヤモンドと同じ炭素から人工的に作り出すため、偽物とも言い難いのが難しいところ。

この合成ダイヤモンドは中国だけでなく、イスラエルやアメリカでも製造され、ダイヤモンド業者が集まるイベント会場でもブースを設置して堂々と販売されています。価格も最初は天然ダイヤモンドの2倍以上だったのが、いまでは同程度か割安な値段。

中国で生産されている宝飾用合成ダイヤモンドのほとんどが0.01ct程度。しかし製造技術は日進月歩の勢い。0.5ct、もしくはそれ以上の石の量産も始まっています。

中古宝飾品業界では警戒

女性
もちろんこれらの合成ダイヤモンドは、メーカーや業者に販売されるときはきちんと「合成」と謳って販売されます。

しかし宝石は販売された先で持ち主が変わるのはよくあるコト。「合成」ダイヤモンドがいつの間にか「本物」のダイヤモンドとして流通してしまうこともあるでしょう。(いや、結構ありそう)

この合成ダイヤモンド、特に警戒しているのが中古宝飾品業界です。もともとダイヤモンドの鑑定は、資格があってない様なもの。街の質屋のおじさんに限らず、宝石業界でも自分の「直感」だけで宝石を選別している業者は今でも少なくないのです。

増え続ける合成ダイヤモンド

中国では2014年あたりから宝飾用の合成ダイヤモンドが大量に製造されています。日本でも2015年後半頃からメレサイズの無色合成ダイヤモンドが確認され、業界を震撼させました。

世界各地の宝石鑑定機関でもジュエリーに混入した小粒の合成ダイヤモンドの事例が続々と報告されています。現在も増加傾向にあるので注意が必要です。

最後に

パソコンに向かう男性
いかがですか。今現在、合成ダイヤモンドの市場は静かに拡大を続けています。高圧装置の大型化やグラファイトと呼ばれる原料の粉末化に成功、様々な技術革新によって天然ダイヤモンドと見分けがつかない単結晶合成ダイヤモンドが大量に製造されているのです。

デビアスまで合成ダイヤモンドの販売に着手したとして業界でも話題に。大変です。あなたが彼から貰ったその婚約指輪、一度 iD100™の機械でチェックしてもらうといいかも知れませんよ……。

リカラット編集部 監修