【2018年】世界最大!9月の香港国際ジュエリーショー|最新の色石相場レポート

香港国際宝石展

リカラット代表取締役の小山(おやま)です。

アジアのみならず「世界最大規模」といわれる、9月の香港国際ジュエリーショーに参加してきました。

9月の香港国際ジュエリーショーは、その規模だけではなく「数百万円以上のハイクオリティなジュエリーがメイン」という平均金額の高さでも非常に特徴的なジュエリーショーです。

特にハイクオリティな色石(数千万円クラスのルビー、サファイア、エメラルドなど)に関しては、この香港国際ジュエリーショーをきっかけに相場が決まる(!)、と言っても過言ではないくらい、各国の業者にとって非常に重要な場となっています。

実際、最新の色石相場についていくつか大きな変化が見えましたので、皆さんにレポートしたいと思います。

香港ジュエリーショー

※ 参考記事

▶︎色石の買取金額がつかない質屋や買取店がある3つの理由

2~3年で価値が2倍に上がった「パライバトルマリン」

例えば日本でも人気のパライバトルマリンに特に大きな相場の変化がありました。

香港国際ジュエリーショーで展示されるような最高品質のパライバトルマリンの場合、

2〜3年前の卸価格が、5カラットで500〜750万円だったのに対し、今回の香港国際ジュエリーショーでは1,200〜1,500万円になっていました。

つまり2〜3年で2倍以上
ここまでの急激な変化は、実は色石業界でもあまり目にすることがありません。

もともとハイクオリティのパライバは流通量が非常に少ない石ではあったので、どこか世界の富裕層で、急に買い占めに走られた方でもいたのでしょうか・・・。

なお通常クラスの数十万円以下のパライバトルマリンは、流通量が比較的多いため(といっても通常の色石と比べれば少ないのですが)ここまでの価格の高騰はありません。ご安心ください。

※ 参考記事

▶︎パライバトルマリンの魅力3点

▶︎RECARAT編集部が選ぶ!今熱い人気の宝石TOP5

依然強気の「タイ産ルビー」7ctで1億円

一見ガラスや合成石と見間違えるほど、一切の傷やインクルージョンが無い、世界最高峰のタイ産の天然ルビー

こちらは2017年ルビー部門ベストジュエリー賞をとったもので、大きさは実に7ct。お値段はジャスト1億円しますΣ(゜Д゜)

もともと、この様にハイクオリティなルビーの場合、1ctだと約100万円なのですが、2ctだと約1千万円と、カラット数によって希少性が大きく変わるため、比較級数的に値段が跳ね上がります

7ctともなると世界に数個位しかなく希少性が極めて高いため、「1億円」というのは結構妥当な数字なのです。

産地ごとのルビーの相場の推移

さて、相場の推移で言うと、今回取り上げたようなタイ産のルビーはここ10年で1.5倍くらい、ゆるやかに値上がりしてます。同じくビルマ産(ミャンマー産)も安定して強気のお値段を貫いています。

一方、モザンビーク産(アフリカ南東部)最近、急に値段が不安定になってきています。というのも新たな採掘場が見つかり、業者間では供給量が増えるのではという警戒感から値崩れが起きているようなのです。

色石の相場は株価と同様、日々変化しています。一ヶ月前のちょっとした情報がきっかけで、急に値段が大きく変わることもあります。

だからこそ、世界中に足を運んでトレンドを学ぶ必要があると感じました。

※ 参考記事

▶産地別ルビー特徴とは?

ヴァンクリの「カシミールサファイア」3ctで3千万円

カシミールサファイア

こちらはVan Cleef & Arpels 、通称「ヴァンクリ」の3ctのサファイア。
産地はカシミール産お値段は3千万円です。

例えばサファイアで最も一般的なスリランカ産の場合、3ctであれば最高級品でもだいたい200万円〜300万円位です。
たとえ、ブランド料を差し引いたとしても約10倍の価格差があると考えられます。

それくらいハイクオリティのカシミール産サファイアというのは珍しく、実際、私も過去数十回位しかお目にかかったことがありません。

つまり、希少な宝石が希少なままずーっと続いているので、価格相場が上昇を続けているのです。

だいたいハイクオリティのサファイアは、ここ4〜5年で1.5〜1.7倍の相場の上昇が確認できます。

※ 参考記事

▶コレで完璧!サファイアを語るための7つの知識

注意!「カシミールサファイア」には2種類ある

さて、カシミール産のサファイアについて一つ注意です。

カシミール産サファイアはパキスタンとインドの国境にある地域で採れたサファイアのことで、1880年代の僅か数年間だけ採れ、すぐに枯渇してしまった世界で最も希少と言われるサファイアになります。

なのですが、実はこの「カシミール産」には2種類あることを覚えておいてください。

例えば上の写真はGIAの産地別付きの鑑別書なのですが、産地欄(Geographic Origin)に、

1つ目(左)はカシミール。
2つ目(右)はカシミール/パキスタン。

と書いています。

1つ目(左)がインド寄りで採掘され、

2つ目(右)がパキスタン寄りで採掘されたことを示しているのですが、

1つ目(左)のカシミールとだけ書いてある方が「カシミール産」と呼ばれるもので、

2つ目(右)のカシミール/パキスタンの場合は、1つ目の「カシミール産」とは価値が数倍〜数十倍も違うものになります。

たまに見かけるのが、インターネットオークションやフリマアプリで「カシミール産」と記載し、「カシミール/パキスタン」の低品質なものを販売しているパターンです。

「カシミール産」の高品質なものは上で取り上げたように何千万もしますが、「カシミール/パキスタン」で低品質なものでは数万〜数十万円程度と価値は「カシミール」に比べると劣ります。

まとめ

https://exhibitions.jewellerynet.com/9jg/en-us/visiting/visitorregistration より

9月の香港国際ジュエリーショーは、世界最大規模のジュエリーショーということもあり、世界中の宝石商が集まっていました。

インパクトのある宝石、希少性の有る宝石が集まり、今回も最新の情報を入手することが出来ました。現地に行くことで得られる情報がやはり大事なんだなと改めて感じます。

特に、パライバトルマリンは昨年くらいで値段が落ち着くかなと思いきや、価値が跳ね上がりました。希少性の有る宝石は今後も見逃せないですね。

最後に書いたカシミール産サファイアは、最近相談が増えている内容になります。宝石を買うときは信頼できるお店で、鑑別書が付属しているものを購入してくださいね。

今後も、世界中の宝石のトレンドや正しい知識を発信していきます!!

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リカラット編集部 監修

ABOUTこの記事をかいた人

リカラット代表取締役。福岡の質屋を営む家に生まれ、高校時代から海外向けに着物のインターネット販売で起業。大学は理工学部機械工学科。新卒でDeNAに就職後、GIAの国際宝石資格獲得を経て、宝石商として独立しました。日本で最もITに詳しい宝石業者だと思っています。これまでは業者と業者とを結びつける「商社」の様な仕事を1人で切り盛りしていましたので、宝石の売買数は100万石を超えます。宝石の真贋と市場価値、どちらの見る目にも自信があります。