クンツァイトって退色するの?買う前に知っておきたい3つのこと

クンツァイト ルース

ライラックピンクが魅力的なクンツァイトは、私も大好きな宝石のひとつです。透き通るような透明感と艶めいた輝きが、とてもエレガントですよね。

ただ、クンツァイトは取り扱いに注意しないと退色したりひび割れしたりする恐れがあるのをご存知でしょうか。

こちらでは、美しいクンツァイトの色や特徴、お手入れの方法、さらに気になる価格相場などをお伝えしていきます。

クンツァイトとは?

クンツァイト ルース

クンツァイトは、スッキリとした美しいライラックピンクをした宝石です。

1902年に発見され、当時ティファニーの宝石学者だったジョージ・フレデリック・クンツによって新しい鉱物であることが解明された比較的新しい宝石です。

鉱物としての基本情報

鉱物名 スポデューメン
結晶系 単斜晶系
化学組成 リチウム・アルミニウムケイ酸塩
硬度 6.5-7
比重 3.0-3.2
屈折率 1.65-1.68
複屈折 0.014-0.016
光沢 ガラス状

劈開

クンツァイトは2方向に割れる完全な劈開(へきかい)の性質を持つので、ヒビや割れが生じやすい心配があります。
そのためカットが比較的困難な宝石として知られています。

燐光性

太陽の光に当てた後暗い場所に移動すると光を放つ特質があります。

透明度

インクルージョンを含むことが少ないとされ、内部はスッキリとした透明感があるものが多いように感じます。

産地

クンツァイトが最初に発見されたのは1902年、米国カリフォルニア州のサンデイエゴでした。

現在もクンツァイトはサンデイエゴで産出されており、最も重要な産地として知られています。

ほかにも、マダガスカル、アフガニスタン、ブラジル、ミャンマーなどで産出されています。

名前の意味

最初に新しい鉱物であることを解明した、ジョージ・フレデリック・クンツ氏に敬意を表してクンツァイトと名付けられたといわれています。

クンツァイトの色

クンツァイト ルース 正面
スポデューメンが少量のマンガンを含有することでピンク色の『クンツァイト』となります。
色相は淡いピンク色から鮮やかな紫色までさまざまですが、薄めのピンク色をしているものが多く、ビビッドな紫色になるほど価値が高まります。

そのため、色を濃くするために照射処理を施して、色のエンハンスを行うことがあります。

ただ、クンツァイトは紫外線や熱に長時間当てると、天然・処理済みに関わらず、時間の経過とともに色が薄くなってしまうといわれています。

多色性

クンツァイトの属するスポデューメンは2色を呈する多色性という特質を持ちます。

結晶の長さに沿って見ると最も鮮やかな色を見せることから、カットする際にはテーブル面から鮮やかな色が見えるような方向でカットされることが多いそうです。

クンツァイトを買う前に知っておきたい3つのこと

クンツァイト ルース

1.退色について

前述もしていますが、クンツァイト独特のピンク色は、紫外線などの強い光に当てると退色してしまう性質があります。

退色するのは、天然のものでも人工的にエンハンス処理されたものでも同じです。

しかし、最近は以下の様な例外も発見されているようです。

米国サンディエゴのオーシャンビュー鉱山で近年に産出したクンツァイトは、本来の紫又は緑紫色から光によってピンク色に変化した後は、色がそのまま安定しているという結果が報告されています。

また、オーシャンビュー鉱山にあるビッグカフナポケット地域で2010年に産出したクンツァイトは、採掘後2日ほど太陽光の下にさらし続けましたが、採掘当時のピンク色のまま、全く退色しなかったそうです。
参考サイト:http://www.atggems.com/Photos_Kunzite.htm

2.お手入れで注意すべきこと

劈開の特性を持つクンツァイトは、ヒビや割れが生じやすいので取り扱いには注意が必要です。

落としたりぶつけたりするのを避けるため、指輪にセッティングしてある場合には、家事をする時や重い物を持つ際には必ず外すようにした方が良いでしょう。

お手入れの方法は、普段は柔らかい布でサッと拭き取るだけで十分です。

汚れが目立ってきた場合には、中性洗剤を入れたぬるま湯に入れ、柔らかいブラシで優しく汚れを落とします

汚れが落ちたら水を入れ替え、泡をキレイに洗い流します。このとき、流水で洗い流すのは避けた方が良いでしょう。

最後に、柔らかい布で水分を完璧に拭き取るようにしましょう。
超音波洗浄機などに入れると石にダメージを与えることになるので、絶対に使わないでくださいね。

3. 保管方法

クンツァイトは紫外線などの光や熱に長時間当てると、色褪せてしまう恐れがありますので、使わない時には箱などに入れて暗い場所で保管することをおススメします。

また、ひび割れが生じやすい性質を持つので、他の宝石と一緒に保管するのも避けた方が良いといえます。

個別の箱やパーテーションの付いたジュエリーボックスに入れて、他の宝石とぶつからないようにしてくださいね。

クンツァイトの価値基準と価格相場

クンツァイト ルース
それでは、ここで気になるクンツァイトの価格相場です。クンツァイトの価格は、石の大きさと透明感、カットバランス、色の濃さによって異なります。まずは価値基準からご説明しますね。

価値基準

クンツァイトは一般的に薄いピンクからラベンダー色をしたものが多く、ピンク色が濃いほど価値も上昇するといわれています。

透明感

透明感は高いほど良いのですが、元々透明感が高い石が多いため、価値への影響はそれほど大きくないといえます。

カラット

サイズが大きいほど価値も上がります。

カット

カットバランスが良く、色や輝きが美しく見える優秀なカットが施されているほど、高く評価されます。

クンツァイトは大きなサイズで産出されることも多く、10カラットの原石が見つかることも少なくないといわれています。
ルビーやサファイアと比べると安価なので、比較的入手しやすい宝石だといえるかもしれません。

クンツァイト ルース

過去リカラットSHOPで取り扱っていた416.424ctのルース。お値段なんと¥1,280,000(税込)

価格相場

クンツァイト リカラットSHOP
クンツァイトの価格相場は1ctあたりの値段が大体500円~6,000円程度といわれています。
それではリカラットSHOPで過去も含め販売したクンツァイトをいくつかご紹介しましょう。

①クンツァイト 5.83ctルース ¥3,980

クンツァイト ルース

かなり薄いピンク色~透明に近いクンツァイトです。5.83ctと大きなサイズです。

②クンツァイトキャッツアイ16.180ctルース ¥11,800

※現在は販売終了しております。
クンツァイトキャッツアイ ルース

こちらは、珍しいクンツァイトキャッツアイのルースです。ペンライトなど光を当てるとシャープな猫の目がサッと現れ神秘的な顔を見せます。

③上質クンツァイト45.778ctルース ¥78,000

※現在は販売終了しております。
クンツァイト ルース

3つ目にご紹介するのが、鮮やかなライラックピンクをした、45.778カラットという巨大なルースです。
厚みのあるカットに美しいファセットが施され、石本来が持つテリ艶が華やかに表現されていますね。
この品質とサイズで78,000円です。他の宝石と比較すると、かなり入手しやすい価格なのではと思います。

最後に

クンツァイト ルース
魅力的なライラックピンクをしたクンツァイトは、見つめているだけでも気持ちが癒されるような気がします。

ひび割れが生じやすく、強い紫外線や熱などで色褪せる恐れがあるので、日常のお手入れや保管には必ず注意しましょう。

リカラットSHOPでもさまざまな色合いのクンツァイトを販売しています。気になった方は、ぜひショップを訪れてみてくださいね。

リカラット編集部 監修

ABOUTこの記事をかいた人

ロンドン在住。Gem-Aで学んだ後、2001年にFGAとDGAを取得。宝石の歴史や伝説などについてのお話と、19世紀末のアール・ヌーヴォーのデザインがお気に入り。好きな宝石は、深いコバルトブルーをしたアウイナイトです。