ここが知りたい 宝石サファイアのあれこれ

ここが知りたい 宝石サファイアのあれこれ

中世ヨーロッパの時代から、王室や聖職者たちの宝飾品として輝いてきた聖なる宝石、サファイア。オスカー・ワイルドの「幸福の王子」に登場する王子の銅像は、両目に嵌め込まれたサファイアを、ツバメに頼んで貧しい少女へ贈ってあげます。神秘的で、高貴な青色。歴史上数々のロイヤルジュエルとして輝き続ける、サファイアの魅力についてお伝えします。

サファイアってどんな宝石?


サファイアは、鉱物コランダムに属します。不純物の鉄とチタンが加わることで、様々な色合いの青色になります。クロムが加わると、赤いルビーになります。硬度は9で、ダイヤモンドの次に硬い宝石です。透明度が高く、深い青色をしているほど高品質です。

カラーチェンジサファイア

太陽光の下と人工光の下で、青色の色合いが変化するものです。

スターサファイア

コランダムの特徴である針状ルチルのインクルージョンにより、表面に6条の星状ラインを見せるものです。カボションカットにすることでスター効果を見る事が出来ます。

サファイアの産地


Dennis van de Water / Shutterstock.com

カシミール産サファイア

この地方で産出される最高品質のサファイアは、コーンフラワーブルーと呼ばれます。矢車菊(ヤグルマギク)の様な濃い青色をした最高級品質で、希少価値の高いサファイアです。

ミャンマー産サファイア

透明度が高く鮮明な青色をした、高品質のロイヤルブルーが産出されます。

スリランカ産サファイア

サファイア採掘の歴史が古く、良質のものが採掘されています。コーンフラワーブルーやロイヤルブルーと同質のサファイアも産出しています。

他にも、オーストラリア、ナイジェリア、タンザニア、タイ、カンボジア、中国などで産出されています。

サファイアの伝説

サファイアという名の由来

ラテン語で青という意味のSapphirus(サフィルス)やギリシャ語のSappheiros(サフェイロス)を由来とします。和名は蒼玉、青玉です。

インド神話のサファイア

ヒンドゥー時代の神話に、願いを叶えてくれる神の木『カルパブリクシャ(生命の木)』が登場します。木の幹はダイヤモンド、果実はルビー、そして根はサファイアで出来ていたそうです。

古代ギリシャでのサファイア

古代ギリシャでは、サファイアは芸術の神アポロを象徴しました。神聖な宝石であったサファイアは、神話で登場する*デルポイの神託でも度々身につけられています。(*アポロン神殿で、神から政治などに関するお告げをもらう行事)

後にサファイアは第三の目としてのパワーがあると言われ、魔術師が未来を予言する際に使用しました。

古代ペルシャでのサファイア

古代ペルシャでは、青いサファイアは地球全体を支える土台から落ちた破片だと信じられていました。空が青く見えるのは、サファイアの青色が反射したからだそうです。

中世ヨーロッパでのサファイア

12世紀以降の欧州では、サファイアは聖職者のシンボルでした。指輪となった聖なる石は、代々のローマ法王や大司教の指で眩しく輝きました。

英国王室とサファイア

20世紀後半に「王室を賭けた恋」として有名になった、英国皇太子エドワード8世とアメリカ人のウォリス・シンプソン夫人。当時、船舶仲介会社社長と2度目の結婚中であったウォリス・シンプソン夫人と結婚するために、エドワードは王冠を捨てました。結婚後は、数多くのサファイアジュエリーを贈りました。中でも特に有名なのが、カルティエ製のパンテール・ブローチです。ダイヤモンドでできた豹が、152.35カラットのサファイア球の上で玉乗りをしたデザインのものです。

最高品質のロイヤルブルーサファイアは、英国王室御用達です。1981年に、チャールズ皇太子がダイアナ妃に18カラットのサファイアの婚約指輪を贈ったことから、世界中でサファイアの人気が沸騰。この指輪は、ダイアナ妃の息子ウイリアム王子が婚約した際にケイト妃に贈られ、現在も王妃の左指で輝き続けています。

まとめ


伝説の多いサファイア。サファイアといえば青色ですが、他にもオレンジやピンクなどといったファンシーサファイアも存在します。天の宝石、皇帝の宝石などとも呼ばれ、「勝利」や「金運」の象徴として信じられてきました。昔から特別な宝石だったんですね。