巷にはびこる合成スピネル。特徴や価値、天然スピネルとの違い

合成スピネル 天然スピネル 見分け方

天然のレッドやブルーを中心にますます人気を集めているスピネル。

ルビーやサファイアに色が似ていることも理由の一つと考えられますが、多くの宝石にあるような、色調整のための加熱処理が施されず、天然の美しい色が楽しめる宝石であることもまたその人気の秘密といえるかと思います。

ただスピネルには合成石も多いと聞きます。

「天然だと思って買ったら合成だった~!」なんて事態を避けるべく、合成スピネルの特徴とともに見分け方とその価値について、お話ししたいと思います!

合成スピネルとは

フランスの科学者であるベルヌイ氏によって作られた合成スピネルは、最初の合成石であるルビーの次に試みられた合成ブルーサファイアの開発時に偶然誕生したといわれています。

多くの合成スピネルはクリアカラーやブルーにグリーンです。
また研磨出来るほどのサイズがなかなか得られなかったこともあってか、カットされた合成レッドスピネルが市場に出たのは1980年代中頃といわれています。

合成スピネルには「ベルヌイ合成スピネル(火炎法)」と「フラックス合成スピネル」の2種類が存在します。

中でもフラックス合成スピネルは天然スピネルに近く、特に加熱処理された天然スピネルとは非常に見分けが付きにくいといわれています。

天然と合成の見分け方5つ

天然スピネルと合成スピネルを個人で見分けるのは非常に難しく、確かな鑑別結果を求めるなら鑑別機関へ…となるのですが、ここでは個人でも見分けられる方法をいくつかご紹介します。

色を見る

さまざまな色が存在するスピネルですが、存在しない色もあります。

それは画像のような落ち着いた黄色みのあるグリーンの色合いのものです。

元々天然のスピネルにはレッド、オレンジ、グリーン、ブルー、バイオレットなどがありますが、イエローはめったに産出されません
このことから、黄色みのあるグリーンの場合合成であることが多いといわれています。

天然のグリーンスピネルは青みのあるグリーンであることが殆どです。

ルーペでインクルージョンを確認する

天然のスピネルには八面体結晶がインクルージョンとして存在するものがあります。

ルーペで確認した際、スピネルの中に小さな八面体結晶が確認出来たなら、それは天然のスピネルである可能性が高いです。

ブラックライトを照射する

ブルーの合成スピネルはブラックライト(長波の紫外線)を当てると明らかに赤く蛍光します

天然スピネルにも蛍光するものはありますが、ブルーの合成スピネルの方がより強い蛍光色を表すといわれています。

もしもブラックライトでブルースピネルが明らかに赤く蛍光した場合は、合成スピネルを疑いましょう。

宝石顕微鏡で拡大検査

合成スピネルには特徴的なインクルージョンがあります。しかしこれらはルーペでは確認できないため宝石顕微鏡を使います。

販売店ならまだしも、個人で宝石顕微鏡はないよーと言われそうですが…(笑)

宝石顕微鏡を使うと、ルーペでは確認出来ない独特のインクルージョンが確認できます。

それが確認出来た場合は合成スピネルである可能性が高いといわれています。

宝石を横から見る

ここまで紹介した方法はあくまでも1つの結晶となった合成石ですが、中にはもっと粗悪な偽物があります。

それは、ダブレットと言われる2つの石、または2つの結晶を張り合わせた模造石で、横から見ると画像のように張り合わせられた跡が確認できます。

正面から見ても張り合わせた際に出来た気泡があるのがわかりますね…。

このようにダブレットと言われる模造石はスピネルだけでなく、オパールやアメジストなど他の宝石にも多く見られ、酷いものだと表面に見える部分だけが宝石で、裏側はガラスなんてこともあります。

※ダブレットについてはこちらの記事がおすすめ
価値は100分の1?偽宝石の代表例「ダブレット」をまとめてみたよ

合成スピネルの価値

合成スピネル ルース

合成スピネルには宝石としての価値はほとんどありません。

そして最も注意すべきは、屈折率、比重が天然スピネルと同じで一見しただけでは見分けがつきにくい合成スピネルが市場に多く出回っているということ。

そしてそれをあたかも天然スピネルや他の天然石として販売する悪徳業者も世の中には沢山いますので、注意が必要といえるでしょう。

合成の合成?他の合成石として販売される合成スピネル

実は合成スピネルは天然のスピネルに紛れ込むだけでなく、他の宝石として販売されることもあります。

謂わば、合成の合成とでもいうのでしょうか?

多くは合成アクアマリンや合成アレキサンドライトとして販売されているそうです。

合成アクアマリンと合成スピネルを見分ける場合、カラーフィルタを通してみると色が違って見えるという、とても簡単な鑑別方法があります。

合成石にも鑑別が必要な時代になってきたということでしょうか…。

最後に

合成スピネル ルース

元々はルビーやサファイアなどのコランダム系の宝石の代替えのような存在であったスピネルですが、人気上昇とともに合成スピネルも多く見かけるようになりました。

確実に見分けるにはやはり鑑別機関にお願いすることが一番ですが、補助的鑑別方法として個人でも見分けられる方法を知っておくのも良いかもしれませんね。

お祖母さまやお母さまから受け継いだスピネルがあるが、本物か偽物かわからない…なんて方は是非一度試してみてくださいね♪

リカラット編集部 監修

ABOUTこの記事をかいた人

毎日200個以上の宝石に触れる仕事をしています。宝石のことをあまり知らない方にも、分かりやすい記事作りを心掛けています。オードリーヘップバーンの映画を観てからクンツァイトに魅了されています。